和歌山県産スズキのポワレ、野生クレソンのピュレ、ソース「ヴァン・ブラン」 |
そして、このスズキの味わいに多角的な拡がりを付与するヴァン・ヴラン(ソース)と、京都・伏見産の野生クレソンのピュレが、ほんのり苦味のアクセントとして抜群の存在感! 特に野菜と魚貝の旨味を閉じ込めたソースは、とても優しく、儚いほどに繊細。このソースで、これだけのスズキをいただける贅沢感は嬉しいですね。
また、スズキ以外にも、「蛤」・「海老」等の魚貝類や、「ジロール茸」・「シャンピニヨン」等のキノコ類、「アスパラ」等、地の物など様々な食材が盛り沢山! それぞれの季節の滋味をたっぷりと堪能できる内容でした。
・肉料理
フランス産「鴨胸肉」のロースト、長野パープル |
ソースもワインヴィネガーにマスタードの種子などを合わせたもので、これまた鴨肉を引き立てる絶妙テイスト。しかも、このソースには、マダムのお父様がお作りになられたという新葡萄「長野パープル」が添えられ、これがソースの甘美なアクセントに! シェフの作られる料理に、お父様の食材が加味されて完成する、という家族の絆を感じさせる一皿は食べる側も何となく嬉しくなっちゃいますね。
他にも、「茄子のピュレ」や「本シメジ」に「旬の野菜」など、魚料理に引き続き、付け合わせが盛り沢山の内容となっており、こちらも主役の鴨肉にすら負けない存在感。このように一皿の上でいろいろと愉しめるという構成の妙が、美味しさと同時に「食べる愉しさ」も生み出しているのです。
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