「産みの痛み」ってどんなもの?
産みの痛みを「鼻からスイカ」と言う人もいるけれど… |
「鼻からテニスボール!」
「鼻からボウリング!」
「鼻からスイカ!」
男性の方はわかりにくいかと思うのですが、これは赤ちゃんが出てくる子宮口を鼻の穴に例えて、そこから出てくる赤ちゃんの大きさを表現したもの。確かに、鼻の穴からテニスボールやボウリングの球、ましてやスイカを出すなんてことになったら痛くてたまりませんね。
しかし、生命の歴史の中で脈々と繰り返されてきたお産。戦前には子どもを5人、6人産んでいた女性も珍しくなかったわけですから、産みの痛みがそんなに耐えられないほど大変なら、そもそも女性は産むことをやめてしまっていたのではないでしょうか。
「産みの痛み」の印象は、マインドコントロールされている!
「えらぶお産」の中に、漫画家・桜沢エリカさんとバースコーディネイター大葉ナナコさんのこんな一節があります。(大葉さん)最初から救命救急系の、目を開けてする、手術のような方法でしか滞りないお出産はできないというような、共通の錯覚を持ってしまっているんでしょうね。メディアの影響もあるのかなあ……。
(桜沢さん)テレビの影響って大きいと思うよ。(中略)
(大葉さん)すごいマインドコントロールされちゃうよね。
(桜沢さん)うちの従姉妹が、テレビで見る出産シーンは、おかあさんはつらそうだし、赤ちゃんは血だらけで、怖くて見られないって言うわけ。
[「えらぶお産」(大葉ナナコ著)より引用]
自宅でお産婆さんが取り上げてくれていた時代から、病院での出産が当たり前になってしまった現代。出産自体、とてもリスクが大きく病的なもの、かつ不安なものという印象でとらえてしまっている女性が多くなっているようにも思います。
オールアバウト「出産医療・産院選び」ガイドでお産専門のフリーライターである河合蘭さんは、「お産の言葉にこだわる」という記事で「キャッチ・ア・ベイビー」という言葉を紹介しています。
イギリスの助産師さんが使っていたcatch a baby(中略)重力方向に産めるお産では、赤ちゃんがみずから生まれるような感覚で出て来られます。そこからも、「向こうから来るものを待って、受ける」感覚の「キャッチ」という言葉がふさわしく感じられます。
[「お産の言葉にこだわる」より引用]