西郷理恵子の恋愛コラム/西郷 理恵子の恋愛情報

彼はあなたの運命の人?脱「運命の人」幻想(2ページ目)

世界にたった一人いる「運命の人」の存在を信じることで、恋愛や結婚においてある種の弊害が生まれてしまう可能性について考えてみます!『二人で生きる技術』の著者である大塚さんとの対談第2弾です!

西郷 理恵子

執筆者:西郷 理恵子

恋愛ガイド

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誰かのことを「運命の人」と決め付けることがマイナスになる時

「運命の人と思うことは、その関係を特別なものだと意義づけるのにものすごく有効な手段。」
「運命の人と思うことは、その関係を特別なものだと意義づけるのにものすごく有効な手段。」
ガイド西郷:なるほど。そのように考えが変化した、きっかけを教えていただけますか? 

大塚さん:今付き合っている人に対して、この人は運命の人だって思うことは、その関係を特別なものだと意義づけるのにものすごく有効な手段だと思うんですよ。すごくロマンティックだし。でも、もしその関係がうまくいかなくなってしまった時には、その人は運命の人ではなかったと思う以外、次に進む方法はなくなっちゃう。「結局、あの人って自分にとって運命の人なんかじゃなかったんだ」と思えるからこそ、次に出てきた人を「この人がそうだ!」って思い込めるわけでしょ。

ガイド西郷:そうですよね。生涯のパートナーとなる特別な人は、世の中には一人しか存在しないと考えると、たとえば、「運命の人」と思っていた大事な相手と死別したり、離婚したり、別れてしまった場合に、次の相手を見付けることを良くないことだと考えたり、罪悪感を覚えたり、躊躇したりしてしまうことにつながるとも思っています。そして、せっかく次の新しい人が現れたとしても、それを無駄にしてしまい、自分の幸せや可能性を放棄してしまうことになるのではないかなと危惧しています。

運命の人を一人に決めると、それ以外の人は前座や代用品になる

大塚さん:僕もカズ(本の中で登場する大塚さんの最初のパートナー)のことを「運命の人」のように思っていました。でも、彼を亡くした時に大きな問題にぶつかっちゃったわけですよね。彼が運命の人だったら、もう次に現れる人は「代用品」でしかなくなっちゃう。次の人を「運命の人」だと思ったら、カズは結局その人に出会うための「前座」みたいなものになっちゃう。それって僕には受け入れられない考え方だったんです。そう言う意味でカズの死は、僕に人生を現実的に捉えさせるようになる大きなきっかけだったと思います。

ガイド西郷:なるほど、そうですよね。大塚さん自身が、その考えを獲得していった過程も、本の中からもすごく分かるので、大変共感します。

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