西郷理恵子の恋愛コラム/西郷 理恵子の恋愛情報

結婚したら幸せ?ゲイから学ぶカップルの絆(2ページ目)

「恋愛」の延長線には「結婚」はないことを知っていますか?2009年、私が一番勧めたい本『二人で生きる技術‐幸せになるためのパートナーシップ』を出版された同性愛である大塚隆史さんにインタビュー。

西郷 理恵子

執筆者:西郷 理恵子

恋愛ガイド

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なぜ、結婚後の生活に、悩む人たちが多いのでしょうか?

大塚さんは、「長い付き合いを応援する」新宿のゲイバー「タックスノット」の店主でもある。
大塚さんは、「長い付き合いを応援する」新宿のゲイバー「タックスノット」の店主でもある。
ガイド西郷:世の中は空前の「婚活」ブームにより、「結婚は、恋愛のゴール」であるとか、「結婚すれば幸せが保証される」と信じる風潮が強くなっています。その一方、結婚後の生活や関係性について、ほとんど語られていない現状に、私は違和感を持っています。

大塚隆史さん(以下、大塚さん):一般的に家族といえば、お父さんとお母さんがいて、お家があって、経済的に安定していて、子供がいてみたいな、条件のセットは提示されているけれど、それが具体的にどんな内容なのかに関してはきちんと語られないまま、ずっときているんですよね。だから、そのセットを手に入れたら、幸せも一緒に付いてくるはずだと、多くの人は思うんじゃないでしょうか?

結婚についても、「二人が協力し合って家庭を作り、そこに帰ってきたら、外側の荒々しい社会から守られるようなもの」と多くの人はイメージしていると思います。
ビジョンとしては、キリスト教的な結婚式の誓いの言葉にあるように、「その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも……愛することを誓います」と知っている。でも具体的な内容となると、あまり考えられていないんだと思います。協力しあうって言葉は確かに素敵だけど、協力し合う態勢をどうやって作っていけるか、が抜けてしまっている感じかな。

「結婚」という制度のない、同性愛のカップルの場合は?

ガイド西郷:異性愛の場合は、幸か不幸か、結婚制度があるので、何となくそこにスッとハマってみたものの、道に迷っている人が多いのではと感じています。
大塚さんの本の冒頭には、自身のゲイという立場から、「『ありきたりな生活』が簡単に手に入らなかったおかげで、二人の人間がありきたな生活を一緒に営むには何が必要なのかを真剣に考えることができました」と書かれていましたが、結婚という枠組みが用意されていない同性愛のカップルの場合はどうでしょうか?

大塚さん:ゲイやレズビアンは、結婚という枠組みには頼れないから、ひとまず好きだからという理由で一緒にいることを始めるわけです。結婚という形式を、自分たちの生活の中に入れ込みたいとは思っても、男と男、女と女が組み合わさっただけでは、いわゆる「一般の幸せな家庭」は始められない。男女の組み合わせに比べて、最初からたくさんの「当たり前」が揃ってないんですよ。だから、基本的に「なんとなく」ではやっていけないんです(笑)。でも、だからこそ、二人の間でいろんなやりとりが行われていくんじゃないかしらん。

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