ペトラ／ヨルダン(4ページ目)

バラ色の都市ペトラ

さて、エル・ハズネを抜けてしばらく歩くと視界は少し開けて、岩山の中に円形劇場をはじめとするローマ遺跡が現れる。ここは列柱通りと呼ばれ、神殿、宮殿、官庁、公共浴場が集中している。もちろんこれはローマ帝国支配後に建築されたものだ。一方、周囲の山には500ともいわれる墳墓がびっしり刻まれている。岩は薄いピンクで、夕暮れどき、谷はバラ色に燃え上がる。

ここからはあちこちの岩山へ道が通じている。いずれにせよ山道を登っていかなくてはならないので、軽いトレッキングになる。どの山を登るも自由だが、歩いて1時間ほどのエド・ディルが第二のクライマックスになる。エド・ディルの高さは42mで、エル・ハズネよりも大きい。
他にもいくつかの山があり、犠牲祭壇（ハイ・プレイス。歩いて30分ほど）、ウム・アル・ビヤラ（歩いて3時間ほど）や、モーセの兄といわれるウルンの墓があるホル山のジャバル・バルン（歩いて5時間ほど）などからペトラの雄大な景色を眺めることができる。ペトラ中を自由に歩くことができるのだが、たとえばジャバル・バルンなどへの道は非常に複雑で、目立つ案内板もないため、まず迷うだろう。効率的にペトラを回りたい人はガイドを雇おう。逆に時間がある人は、冒険気分で歩き回るのもいいだろう。思わぬ場所に抜け道や裏道、遺跡を見つけることができるはずだ。