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思春期の息子も先生も喜んだ日本のお弁当(2ページ目)

海外で大人気になっている日本式のお弁当。今回は、今も実際にお弁当をつくっている、国際結婚の現役お母さんにお話をうかがいました。息子さんが通っていたアメリカの学校での微笑ましいエピソードは……

執筆者:シャウウェッカー 光代

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先生に「特製バレンタイン弁当」♪

N子さんがアメリカに住んでいた頃のお話です。
当時、息子さんが通っていた私立の小学校では、クリスマスに親が担任の先生に贈り物をする習慣があったそうです。とくに商品券を贈る人が多かったようですが、金額も分かるし、あからさまな感じがして、N子さんには少し抵抗があったとか……。

代わりに考えたのが、バレンタイン・デーに日本式のお弁当をつくって、担任の先生お2人にプレゼントすること!でした。

まずジャパンタウンに行って、仕切りのあるお弁当箱を購入します。先生方は、もうこの珍しいお弁当箱だけで「Oh~!」と大感激!!
内容は、ミニおにぎりや野菜、お肉のおかずなど……。日本のお母さんたちが普通にしているように、彩りよくバランスよく詰めていくのですが、これが先生方には大好評だったそうです! この特製・バレンタイン弁当は、息子さんが卒業するまで毎年続いたそうですよ。

バレンタインデーに先生に贈ったお弁当はこんな感じ。「全部手抜きですが、目新しいので喜んでもらえる!作戦」だそうです♪ illustration by N子さん

食育の大切さ

取材の時はもう1人、N子さんのお友達で、やはり国際結婚のお母さんがいらして、お話していくうちに、アメリカの食育事情にまで話が及びました。

アメリカには「食育」という考え方がないのだそうです。最近は人々の意識もだいぶ変わってきてはいますが、栄養学や食文化など健全な食生活を送るための教育が、まだ充分に行き渡っていないのだとか。そのため、ジャンクフードに偏ったり、砂糖たっぷりのペットボトル飲料や、食品添加物だらけのスナックばかりを子供に与えてしまうようなのです。

小さい頃からそういった食品を取り続けていると、「嗜好」がもうそのように出来上がってしまうらしいのですね。それは大人になってもなかなか変えられないので、肥満などの問題が出てきた時に、同じ味でのローファットやノンシュガー(でも人工甘味料で甘~い)でなんとかガマンする、という対処法になってしまうようです。

それよりも、手づくりのお弁当で、小さい頃から栄養バランスの取れた食事と、食べ物本来の味が分かる味覚を育ててあげたい……。
お2人だけでなく、周囲にいる日本人のお母さんたちは、そんなふうに考えていらっしゃるそうです。


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