家族の呼び方
最近、テレビを見ていて気になるのが、若い人たちの「家族の呼び方」です。自分の両親のことを人前で「父」「母」と言える人の、なんと少ないことか! 10代ならまだしも、20代や30代で「うちのお母さんが……」なんて言ってる芸能人を見ると、ファンだった人でも一気に冷めてしまいます。勉強を始めてから数年。夫の日本語も、基礎のレベルを終えて、“敬語を使う”という段階に入ってきました。敬語に関する私への質問も、当然のことながら増えてきます。自分では何気なく話していたり自然に使い分けている敬語の用法を、改めて人に説明するというのは、結構むずかしいものです。外国人なのだからそんなに正確じゃなくてもいいんじゃないの?な~んて思ってしまったりもするのですが……
しかし、夫は完璧主義者。できるだけ正確に使いたいと思っているのですよね。そこで私も、将来、ビジネスや社交の場で日本語を話さなければならない時に夫が恥ずかしい思いをしないようにと、丁寧に、そして厳密に、敬語の使い方を教えていました。
そんなある日の出来事です……
家族との電話の後で
楽しそうな電話のお相手は…… |
が、やはり時々は直接声を聞きたくなるもの。ある日、夫はスイスの実家に電話をかけ、楽しそうに大声で笑いながら、盛り上がって話していました。会話はスイス・ジャーマンなので、私には何も分かりません。
あんまり楽しそうだったので、電話が終わってから聞いてみました。
「誰と話していたの?」
すると夫は、しばらく何かを考えてから、こう答えたのです。
電話で出ていたのは……