西宮での再会
その後、おじいさんはアメリカでガンの研究に携わります。医者ではありませんでしたが、大学の研究室で研究員として働いていました。その当時、日本から来ていた医師がいて、ともに研究を進めていたそうで、2人が白衣を着て一緒に写っている写真が残っているそうです。日系人が多い地域とはいえ、まだまだ日本人在住者は少なかった時代。年齢も近かったと思われるお2人は、お互いにいい友人になれたのでしょう。個人的にも親しくなって、家族ぐるみの交流があり、医師の奥様とおばあさんも仲がよかったそうです。女性同士、料理や子育てのことなど共通の話題が多かったかもしれませんね。
ケアホームに医師の奥様を訪ねました |
記念写真を撮るスコットさん。前列左が医師夫人で、その左後ろが娘さん |
夫人と仲がよかったおばあさんとは涙の別れになりました |
別れのつらさは、家族全員が感じていました。みんな目に涙をためて、でもこぼれないように必死でこらえて……。誰も淋しいとか悲しいとか言わずに(言葉にしてしまったら、おじいさんたちはもっとつらくなるかもしれない……)、そのことには触れないようにして、次の目的地に向かって出発しました。
「みんな大人だなあ……」
いつもと変わらない雰囲気の車内で、直美さんはそう思ったそうです。お互いを思いやる家族のあたたかなぬくもりが伝わってきました。
姫路城
日本一美しい城といわれる姫路城 |
おじいさんたち帰国の前夜、スコットさんに言われたこととは……