国際結婚/国際結婚アーカイブ

外国暮らしで「引きこもり」になったら?

前回の記事では回復に向かう大きな助けだった母国語と同郷の友人ですが、今回のケースでは逆にそれらが「引きこもり」を誘発することに……。海外でそんな事態になってしまったら、どうしたらよいのでしょうか?

執筆者:シャウウェッカー 光代

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「幸せから一転、結婚で発症する『うつ』とは」では、結婚に伴う大きな環境の変化が引き金となる典型的な例を……、また「パートナーがうつ!? あなたはどうする?」では、結婚後のコミュニケーション不全と孤独感から引き起こされる症状例をご紹介しました。

今回ご紹介するのは、ちょっと特殊なケースかもしれません。前の2例が外国での異文化ストレスが原因となっているのに対し、この例では海外で“日本”と接触することがうつの誘因となっているフシがあるからです。
 

外国で始めたボランティア


海外勤務生活を体験し、そこで知り合った男性と結婚したC子さん。それまでのOL時代はメチャクチャ働いていたので、結婚してからは少しペースを落とし、しばらくは仕事をせずにボランティア活動をしてみようと思いました。

C子さんが選んだのは、現地の日系コミュニティでのボランティア。長くつきあえる日本人の知り合いが欲しかったことと、後からこの地に来る日本の人たちに何か役に立つことをしてあげたいという気持ちがあったからです。

始めた頃は、知人の輪が一気に広がり、活動自体もやりがいがあって、とても楽しく過ごしていました。生活の中で唯一、日本語で話せる場所だったこともあり、外国語は上達したいけれど日本語で話せるこういう環境も必要!と思っていたのです。

人間関係に呑み込まれ……


楽しかったボランティア活動が、逆に憂鬱のタネに……
ある時、C子さんは、そのボランティア団体が行うセミナーの運営を担当することになりました。事務局を任されたC子さんは張り切っていたのですが、やがて内部の人間関係に問題があることに気づきます。

中にとても強いキャラクターの年長の女性がいて、いつも運営グループ内部を引っかき回してしまうのです。会合のたびに爆弾発言をしては、誰かを傷つけたり、みんなに動揺を与えておいて、本人はさっさと帰ってしまいます。それに追随するお仲間も2人ほどいました。

残されたメンバーは年下ばかりだったので、結局、C子さんが取りなし役となり、何とか場をまとめていました。常に両者の板挟みで、まるで企業の中間管理職のような状態でした。

そんな状況が数カ月続いた後、C子さんは自分の精神状態がかなり不安定になっているのに気がつきました。だんだん人に会うのが苦痛になってきたのです。特にボランティアの会合は、また例の女性たちにトラブルを起こされるかと思うと行く気が失せてしまうのですが、責任感が強いC子さんは、何とか毎回出席していたのです。

この“無理”が、やがて、もっと悪い結果を生んでしまうことになります。当初、嫌だったのはその会合だけでしたが、それではすまなくなっていました……。


ついに精神科に行くことに。ドクターの診断は……?


 

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