日本的なお弁当
前回の記事「外国人パートナーを通して見る日本の食文化」の終わりに“私が特に日本の食文化の豊かさ・奥深さを感じたあるモノ”と書きましたが、今日はそのことについてお話ししましょう。
その“あるモノ”とは「お弁当」なのです。
女性なら誰でも、一度はお弁当を作った経験、ありますよね?
その時、どんなことを考えながら、お弁当箱に詰めましたか?
栄養のバランス?
彩りの良さ?
ご飯とおかずの割合?
おそらく、おかずを作る段階と、お弁当箱に詰める段階で、自然にバランスやら色合いやらを考えていたと思うのです。
あるいは、フタをあける人の喜ぶ顔を思い浮かべていたかもしれませんね。
そんな、日本人にとってはごく普通に作っているお弁当が、外国の人の目には、とてもスゴイものにうつったらしいのです。
夫にお弁当を作った日々
それはまだカナダに住んでいた時のこと。当時、夫は隣の市にあるIT企業に勤めていました。
夫の会社の近くには、レストランもカフェもコンビニもないことから、私はお弁当を作るようになりました。経済性を考えてということもありますが、一番の理由は、お昼休みに毎日ランチを食べる場所を探すストレスをよく知っていたから、です。
かつて私がいた編集部も、一時、そんなエリアのオフィスビルにいたことがありました。毎日、食べる店を考えるのが面倒でしたし、何より昼休みの時間がもったいなくて……。店を探して行って、ようやく決めて入って、オーダーして、待って、食べて、オフィスに戻って……、それだけでもうお昼休みが終わってしまうんですよね。
でも、お弁当を持っていけば、ただちに食べられ、その後ゆっくり休むことができます。この違いは大きい!
始めのうちは、日本的なお弁当だけでなく、サンドイッチも作っていました。いくら夫が日本食好きだからといっても、毎日ご飯はいやだろうと思って。
ところが、彼にとっては、日本的なお弁当のほうが嬉しかったようなのです。それまでずっと外で買うサンドイッチが多かったので、飽き飽きしていたらしいんですよね。
それが分かってからは、お弁当しか作らなくなりました。私にとってもそのほうが楽でしたしね。サンドイッチのバリエーションは案外少なかったけれど、お弁当のおかずだったら、いくらでも考えられましたから。
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