とんだ盲点
彼が免許を取った後は、しばらく日本に帰国していなかっただけで、スイスには行っていました。ところが……、ここが盲点なのですが、カナダもスイスも最近は出入国スタンプを押さないんですよね。そういう国は増えているようです。ヨーロッパもEUになってから、ほとんど押されなくなりました。あのスタンプがたまっていくのが楽しみだった人(私も含めて)にとっては、ちょっと残念な現象です。そんな中、きっちりスタンプを押してくれる日本の国際空港は、とても貴重でありがたい存在でした。
日本の空港で押されるこれらの出入国スタンプ、実はとーっても大事なのです |
ただ、そのときも私はトラブルが。何が問題だったかというと、日本に不在だったことを証明する出国時のスタンプの日付けの部分がかすれていて、読み取れなかったのです。たくさん押されているスタンプの中で、なぜか肝心のものだけが不鮮明。あとのはみんなハッキリ押されているというのに……。
その時は何とかお目こぼしをいただいて、手続きをしてもらえましたが、運転免許センターの人からは「今度からは空港でスタンプをしっかり確認し、日付けが読めなかったら押し直してもらうといいですよ。言えばやってくれますから」と言われました。
以来、空港では出国時も入国時も、税関でスタンプを押されたら、即座に確認するようになった私。しかし今回は、日本に来ていなかったのですから、仕方ありません。出入国スタンプの重要性を改めて認識した次第です。
海外居住を証明できるもの
私たちのように、パスポートのスタンプでは海外在住期間を証明できなかった場合、どのようなものがあれば証明できるのでしょうか?外務省のホームページには、次のような記載があります。
「日本に帰国後、海外に在住していたことを証明する必要が生じた場合には、現地公的機関が発行した納税証明書、公共料金の領収書、現地の運転免許証あるいは旅券に押印された外国の出入国管理当局による出入国印等を、直接国内関係機関に提示の上、ご相談ください。どのような書類が在留証明の代わりとして認められるかは提出先が判断することになります。」
(「渡航関連情報」>「届出・証明」>「2-(3)在留証明」の項目より)
つまり、海外在住証明として有効と思われるものは
・現地公的機関が発行した納税証明書
・公共料金の領収書
・現地の運転免許証
・旅券に押印された外国の出入国管理当局による出入国印
などとなっているわけですね。
このうち、日本の運転免許証への切り替えには、「現地の運転免許証」以外のものが必要であり、私たちは「出入国印」もなかったので、「納税証明書」か「公共料金の領収書」があればよかったのです。それらが送られてきた当時の住所入りの封筒(もちろん、消印がはっきり見えるもの)でもいいと言われました。
出直さなければならないのか……
そんなことを窓口で説明されているうちに、1時間近くが経過。自分の迂闊さに気づかされ、情けなくなりつつも、家から運転免許センターまでが遠いため、なんとかこの日だけで手続きが終わらせられないかとネバっていたのですが……。担当の方は優しい感じの年配の男性で、私たちと一緒に一生懸命、該当しそうな出入国スタンプを探してくれました。でも、どう探しても無いものは無いし、規則は規則ですからね。
ええいしょうがない、家に戻ってカナダの「納税証明書」か「公共料金の領収書」を探し、また日を改めて出直してくるかと、もはや話をするのも疲れてあきらめかけた時、そのおじさんが「このスタンプは何ですか?」と指さしました。そこには、とある出入国印が……。
ここから、大ドンデン返しが始まったのです!