「Bereavement Fare」 遺族特別料金とは?
航空会社によっては、家族の葬儀に出席するために航空機を利用する場合、正規運賃からかなり割り引かれた特別料金を設定しているところがあります。これは、配偶者、親、子供、兄弟、孫、祖父母が亡くなった場合などに適用されるもので、正規料金より50~75%ほど割引になります。また、危篤状態の場合にも適用してくれる会社もあります。割引を受けるのに必要なものは、故人の名前、故人との関係を証明するもの、死亡証明書のコピーなど。証明書が間に合わなかった場合は、利用後でも必要書類をそろえて提出すれば、あとから割引料金が適用され、差額を受け取れます。
北米のほとんどの航空会社がこの制度をもっており、国内線にも適用されていますが、エアカナダのように、既に廃止してしまった会社もあります。理由は、「Bereavement Fare」の割引料金よりも格安航空券のほうが安いから、ということらしいです。
たしかに格安航空券のほうが料金的には安いかもしれませんが、すぐにでも出発したいときに入手が困難な場合があることと、日程を変えられないというリスクがあります。葬儀の場合、あとで何があるか分からないので、帰国日はフレキシブルに変更できるほうがありがたいもの。格安航空券はそれができません(条件付き・有料で変更できるものもありますが)。「Bereavement Fare」で購入したチケットなら、正規運賃と同じ扱いですから、日程の変更ができるのです。
いずれにしても、購入を考えている方は、航空会社に直接問い合わせてみることをおすすめします。なぜなら、航空会社によって、適用される家族の範囲、割引率、必要書類など、条件とルールがすべて異なるからです。緊急事態になってからではなく、今から調べておくといいかもしれませんね。
葬儀の様式の確認
外国でパートナーのご家族の葬儀に出席する場合は、出かける準備をする前に、どのような様式の葬儀なのか、あらかじめ確認しておきましょう。宗教によって葬儀の様式が異なりますし、それによって持っていくものが変わってくるからです。パートナーもまだ葬儀経験がなく、よく分からないという場合は、パートナーの家族に確認しておいてもらったほうがいいでしょう。
義理の祖母の葬儀はキリスト教式でした。
しかし、同じチューリヒでも、別の親族の葬儀は、故人の希望で、無宗教のスタイルで営まれたそうです。
葬儀の様式は、国、地域、宗教、家族(故人)のポリシーによって異なるということをよく理解し、ベストな方法でのぞめるようにしましょう。
服装は?
私たちは喪服一式を持っていきました。実は、夫は日本での葬儀出席経験のほうが多いのです。ですから黒のスーツとネクタイなど葬儀用の一式を日本で持っていました。私も黒のスーツで、小物も全部黒。バッグと靴は金具や装飾のないシンプルなもので、アクセサリーは一切つけませんでした。日本では一連の真珠のネックレスをつけることが多いですが、失礼にあたるといけないと思い、持っていきませんでした。ところがこんなにきっちりした黒の喪服を着ていたのは、私たちだけだったのです。義父はスーツでしたが濃紺、義母は黒でしたがカッチリしたスーツではない上下のパンツルック、義妹はダークな色の普通の服。急に心配になってしまい「私たちはフォーマル過ぎますか?」と義母に聞いてしまったほどです。「そんなことないわ。ビューティフルよ」という答えが返ってきましたが。
葬儀の列席者も同様で、ダークグレーや濃紺の服の方が多かったですね。セーターの方もいました。若い人では、黒だけどオヘソを出したローライズ・パンツの人もいましたよ。きちんとし過ぎていて失礼ということはまずないので、喪服をお持ちなら、それを持っていくのがよいでしょう。
ほかに持っていくものは?
服装以外では、家族から託されたお悔やみのカードを持っていきました。急なことだったので、日本語で書かれたメッセージをスイスに行ってから訳し、プリントアウトしたものを添え、両親と祖父に渡しました。これはすごく喜んでもらえました。なかなか会えない両家の家族。しかも、お互い言葉が通じませんから、直接お悔やみを言うことができません。でも、心配する気持ちは同じ。こうして言葉と形にすれば、充分心が通じるのだなあと思いました。
・まずはパートナーに、どのような服装がいちばんふさわしいか、確認を。
・白いハンカチや宗派に合わせた小物(数珠)なども忘れずに
・自分の家族からのお悔やみのカードや手紙、お花などがあると、喜ばれると思います