国際結婚/国際結婚アーカイブ

「私たちの国際結婚」シリーズVol.4 <完結編> 違う国の文化も自分の一部に…(3ページ目)

「ずっと日本に住む」と言っていたご主人の心境に変化が……。お子さんの将来にも関連し、Y子さんご夫婦の生活は新たな局面を迎えつつあります。

執筆者:シャウウェッカー 光代

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■反対していたご主人が、今は保護者会に

ご家族のことを少しうかがってみました。
現在はご主人、高校生の息子さんとの3人暮らし。お子さんをインターナショナル・スクールに通わせたのは、Y子さんの強い希望だったそうですが……。

「やはり言葉の問題ですね。アメリカの家族と英語で会話ができないのは嫌だと思ったんですよ。ただ、経済的な問題もあるので、とりあえず幼稚園までは絶対行かせて、そのあとは経済的に大丈夫なら、続けられる限り行かせたいと思っていました。小さいときにある程度英語の能力がつけば、会話だけなら主人とできるようになるし、いいかなと思って、まず幼稚園に行かせました」

最初はY子さんのほうが強くそう思っており、ご主人はお金がかかるから公立でいいと言っていたそうです。
しかし、そうはいっても、ご主人はアメリカ人としての誇りをけっこう持っている人。日本にずっと住むかもしれないけれど、やっぱり心はアメリカ人。それで、子供にもアメリカ人であってほしいという気持ちはあったようです。最終的には彼もしぶしぶ同意しました。

ところが、学年が上がるにつれて、お子さんが英語で話せるようになり、彼と英語で対話できるようになると、このままインターナショナル・スクールを続けさせたいと、ご主人のほうが強く思うようになってきたそうです。

「今では、子供の学校関係は主人が全部やっています。保護者の集まりにも彼が行っているんですよ(笑)」

■徹底した家庭内での使用言語

ところで、3人の会話は?

主人と息子は英語。主人と私、子供と私は日本語です。主人からはミックスして話すなと言われていたので、私は徹底して日本語ですね。結果的にはよかったと思います。インターナショナル・スクールに入れたので、英語は問題ありませんでしたから。

知り合いで、奥さんがアメリカ人のご夫婦がいるんですが、お子さんが公立の日本の学校に入ったので、小さい頃から英語の家庭教師をつけているんですって。アメリカに帰ったとき、向こうの家族と英語が話せないと困るからって。みんなそうやって努力しているんですよね」

■国際結婚してよかったことは…

最後に、国際結婚してよかったと思うことはどんなことですか?

「生活していないし、たまにしか帰らないけれど、アメリカという国が、自分の人生の中でまったく無縁の存在ではなくなった、ということです。違った国の文化も自分の生活の一部になった、ということ。違う文化圏の人と結婚することで、自分の考え方や視野も多少は広がったかもしれません。日本人と結婚したことがないから、比べられないですが。

小さい頃から、まったく違った環境で育った人と…と思っていたから、その分苦労はしたけど、そういう人の価値観であるとか考え方が、自分の人生のなかに入ってきた、ということは大きいと思います。

情熱的に燃え上がって…というのではなく、けっこう醒めて結婚したので、結婚してから、相手を愛するということを勉強していったような気がします。
今は、恋愛感情ではないけど、人間としても、男性としても、彼を愛していくということが、やっと少しずつできるようになったかなと思っています」

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