■言葉で言わないとダメ。“察して”はくれない文化

文化の違い、まだまだあります。

「いまだに顕著に思うことは、何でも言わないとダメ、こちらの気持ちを決して察してはくれないということです」

たとえば、ご主人が朝出かけるとき、ゴミを捨てていってもらいたいと思って、玄関のドアの真ん前に“これ捨てて欲しい”という意味をこめて置いておくのだそうです。ご主人はもうすぐ出かけるし、途中にゴミ置き場があるので、置いておけば分かるだろう、と。ところが、ド真ん中に置いといても、頼まないと絶対にやってくれないのだとか。

「日本人だったら『あ、捨てておけばいいんだな』と、気がついてくれますよね。察して動いてくれる」
そうそう、暗黙の了解でゴミ出ししてくれているご主人、けっこういると思いますよ。
「父も弟もそうだったんですよ。でも、彼は違った」

言えばやってはくれるけど、言わないと、どんなにド真ん中に“これ捨てて!”というジェスチャーで置いておいても、察して捨ててくれるようなことは一切しないそうです。
それに、その都度言わないとダメ。1度言ってやってくれたから来週もやってくれるだろう、は効きません。

「でもねえ、ドアの真ん前に置いてあって、ゴミでしょって。先週もやってくれたでしょって。イメージして考えりゃ分かると思うんですよね~。分からなかったら『これ捨てるの?』って一言聞くとか……。
会社に行くときだったら、忙しいからしょうがないと思うんですけど、買い物に行くときなら、1~2分、それを持って通り道のゴミ置き場に置いていくのに、なんらおかしいことはないだろうと思うんですけど、絶対に言・わ・な・きゃ・や・ら・な・い。」

「文化の違いなんでしょうかね~。彼が育ったのは言葉で伝える文化ですから、察する文化がないんでしょうね。本当にいっさい察しないですよ」

カナダ人のご主人もそうですよ。奥さんたちがみーんな言ってますから(笑)。そういう違いに慣れるのに、けっこう時間かかりますよね~」

つい最近もやりましたよ。さすがにここに置いときゃあやるだろうと思ったら、やらなかった(苦笑)。あ、やっぱりだめかと思いました」

こんなふうにしながら、夫婦って“阿吽の呼吸”をつかんでいくのでしょうか。
しかし、これも日本的な感覚。ご主人がイメージしていた夫婦像は、ちょっと違っていたようです。

続きは<後編>で。
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