●なぜ母親のほうが強く反対するのか?
■父親はダンマリ、母親が代弁
日本の夫婦の傾向として、父親はあまり口うるさく言わず、母親のほうが子供たちに話すという役割分担が、暗黙のうちにできていることが、理由の1つとして考えられます。
特に、両親は日本の高度経済成長期を経験している世代。父親は外に出て一生懸命働き、母親が留守を守って家庭内のことを仕切るというのが当たり前の世代だったのです。
そのため、家の中のことや子供たちの勉強・生活に関しては、家庭の中にいて子供と接する機会が多い母親のほうが、話し役になっているケースが圧倒的に多かったのではないでしょうか。
父親は子供のことにはあまり口を出さず、母親を通して報告を受け、また母親を通して意見を伝えることが、ごく普通の状態でした。
その延長線上で、子供の結婚問題についても、いまだに母親が話し役・パイプ役になっているようです。
父親も当然、賛成なり反対なり意見を持っているはずですが、直接子供に言うのは、たいてい母親の役となっている家庭が多いのです。
■なぜ母親はエキセントリックになるのか?
では、なぜ母親はこうもキツイ言葉を娘に投げかけたりするのでしょうか?
むしろ父親のほうが娘には甘く、もっと優しい態度で接してくれるような気がしないでもありません。
母親の言葉や態度の裏にはどんな心理があるのか、探ってみました。
・女同士であるがゆえに、娘への思い入れが強い。より感情移入してしまう。
・女としての人生・苦労を知っているだけに、娘にそういう苦労をさせたくないと思っている。特に女性の場合、結婚相手によって人生が変わる度合いは大きいから。
・親は“子供の将来”と“自分の老後”に対して、ある固定的なイメージ=理想を抱いている。それが思い通りにいかないと、時に怒りとなって爆発する。
・母親は娘をそばに置きたがる。息子の嫁よりラクだから。老後は誰かにそばにいてほしいが、嫁姑問題は避けたいのだ。
・父親から「反対」という意見を伝える役を仰せつかっている場合、母親はなんとかその役目を果たし穏便に事を納めようとして必死になるあまり、子供につい強い言葉をあびせてしまう。
・話しているうちに感情が高ぶって泣いてしまう。
ただ、心のどこかに「泣けば娘も折れてくれるだろう」という気持ちがあることも……。意図的にそうしたのではなくても、結果的に“泣き落とし”になっている。女性は潜在的にこの手を知っているのだ。
いかがでしょう?
思い当たるフシがある方もいらっしゃったのではありませんか?
これ以外にも、地方の小さい町に住んでいて、人々の考え方が保守的であるため、周囲の目や世間体を気にして大反対しているケースもあります。
家庭内の役割分担にも関連しますが、“子供の育ち方の責任”は母親がとらされることが多いのです。
「どんな躾を…?」「どんな教育を…?」という言葉は、父親よりも母親に向けられており、「○○さん、あなたが付いていながらどうして?」などと親戚に言われてしまうのも母親なのです。
このように考えていくと、お母さんが必死になって止めさせようとし、その結果、感情的になってしまう気持ちも理解できなくはありませんね。
では、どのように接点をつくっていったらいいのか……
次回は解決策・対応策を考えてみようと思います。
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