「カルガリー事件」のその後の状況がだいぶ分かってきたので、お伝えします。
(事件のことを知らない方は、先にClose Upバックナンバーの「カルガリーで起こったある事件」をお読みください。)

既に公判が何度か開かれているので、その日程を追って、経過をたどっていこうと思います。なお、日本では実名で報道がありましたので、今後は名前を漢字で表記します。

●7月9日の公判より
7月9日午前、藤井理絵容疑者(23)は、1歳3カ月の長男の死体遺棄容疑で、州裁判所の法廷に出廷しました。この時、日本から来ている藤井容疑者の両親も傍聴しており、弁護士Robert Batting氏は両親に代わってこう話しています。

「彼ら(両親)は、この事件でご迷惑をかけたすべてのカナダ人に対して、彼らがどんなに申し訳なく思っているかということを、私からメディアに伝えてほしいと願っています。また、追悼のためのご寄付を下さった方々に、心から感謝しているということです」
そして弁護士は、藤井容疑者はずっと鬱病の治療を受けていることを話しました。医師の要請があったので、裁判所は、藤井容疑者がさらなる精神鑑定を受けることを命じています。

● 8月8日の公判より
藤井容疑者の弁護士は、彼女が長男の死体遺棄の有罪責任を認めるだろうと発表しました。
カルガリー裁判所は藤井容疑者に30日間の精神鑑定を受けることを命じていましたが、この日、藤井容疑者は法廷に立つことは何ら問題がないように見うけられました。
  
●8月15日の公判より
前日のカルガリーの新聞には、明日の公判で藤井容疑者は予想されていたよりも重い罪で起訴されるだろう、ということが既に書かれていました。
翌日のトップページのタイトルは、大きな文字で「Murder charges」。 当初は死体遺棄罪で起訴されていましたが、この日、藤井容疑者は第二級殺人罪で再起訴され、しかも2件(ドミニクちゃんとジェミニちゃんのケースそれぞれ)で起訴されたということでした。

ここで「第二級殺人罪」について説明しておきます。

カナダの殺人罪は、重い順に「first degree murder 第一級殺人罪」「second degree murder 第二級殺人罪」「manslaughter故殺罪(計画性のない殺人の罪)」となっています。
「第一級殺人罪」は殺意をもって計画的に相手を殺した場合で、「故殺罪」は殺す意志はなかったが衝動的に相手を死に至らしめてしまった場合とされています。「第二級殺人罪」はそれ以外のケースで、「第一級殺人罪」ほど悪質な計画性はないが、「故殺罪」よりは重く、明らかに殺意はあったとされるものです。