1823年に出版されたサンタクロースと8頭のトナカイのお話もすっかり定着し、クリスマスムードに包まれていた1939年12月のある日、シカゴに住むロバート・メイが娘に即興で創作して語ったのが、「真っ赤なお鼻のルドルフ」のお話。その話が誕生した背景には、こんなことがあったそうです。
「真っ赤なお鼻のルドルフ」のお話はこうして生まれました
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「真っ赤なお鼻のルドルフ」原作本。「RUDOLPH THE RED-NOSED REINDEER」by ROBERT MAY。新しいバージョンが子供達に親しまれています。 |
「どうして私のママは、みんなと違うの?」
“みんなと違う”ということ。
それは、ロバート本人が身にしみて感じていること。自分自身、小さい頃から体が小さくていじめられ、貧しくて進学することもでず、良い仕事にもつけなかった。おまけに安月給で、治療費のために借金だらけ……そんなロバートは、娘の質問にどう答えたらいいのかわかりませんでした。
そこで、娘を喜ばせたいという一心で、「真っ赤なお鼻のルドルフ」の話を即興で語り始めたのです。自分自身のコンプレックスを赤鼻のルドルフに託し、神様に創られた生き物はいつかきっと幸せになることを、幼い娘、病と闘う妻、そして自分自身に言い聞かせたかったからだといいます。
そのお話が世界に広がったいきさつ
その後、娘にせがまれて毎晩この話をするようになったロバートは、クリスマスプレゼントとしてお手製の本にまとめ始めます。プレゼントを買う余裕の無いロバートにとって、それは娘や妻への心のこもった贈り物でしたが、完成を目前にして妻がこの世を去ってしまいます。打ちのめされたロバート。しかし、娘のために本を完成させ、愛する娘を喜ばせました。数日後、会社のパーティーでロバートが「真っ赤なお鼻のルドルフ」を朗読すると、会場から割れんばかりの拍手が起こりました。そうして1939年、彼の会社(大手デパート)から240万冊もの本が(宣伝用として)無料で配られ、この物語が世界中に広がっていったのです。やがて、1949年にロバートの義兄弟によってお馴染みの歌が作られ、クリスマスの定番として愛され続けているのです。
作者の家族への思いが生んだ「真っ赤なお鼻のルドルフ」。勇気を与えてくれる素敵なお話です。
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