街を歩くと、そばが食べたくなる


いや、そばを食べるために、街をついつい歩き回ってしまうのか。

旨い蕎麦を求める旅は、いつだってドラマチックに幕開かなければならない。
今回は板橋区に新たにオープンした手打ちそば店「うさぎ庵」をめざす。
その感動の出発点として、三ノ輪を選んでみた。



終着駅は、始発駅でもある。
そこだけ、昭和30年代が取り残されたような懐かしい一角には、都電が出発を待っていた。ここから、電車は東京北部の下町を馬蹄形に走って、学習院下から早稲田をめざす。
まさしく、Tokyo散歩の上級者御用達のレトロな移動手段なのである。



荒川遊園、そして、飛鳥山。電車は、古くからの名所を縁取るようにして軌道敷きを進んでいく。



やがて、庚申塚停留場へ。
ここは、「おばあちゃんの原宿」として知られる巣鴨のとげぬき地蔵商店街の最奧部でもあり、商店街はここから庚申塚商栄会と名称を変える。ここは旧中山道。巣鴨に発してとげぬき地蔵の脇を通り、ここ庚申塚からさらに北西へ。商店街は名前を変えながらはるかなる環七あたりまで疎密を繰り返しながら進んでいくのである。