完成一歩手前の大切なノシ

角出しのプロセスは、速度優先のショートカット技法であった。肉わけ・幅出しは、威勢のいい角出しをフォローする丁寧な仕事だ。角出しは、麺帯を麺棒に巻き付けて一気にころがしていく仕事ゆえ、効率はよいがデリケートさに欠ける。上手な人にとっては何でもないことなのだが、初心の内は力が足りなかったり、強くのしすぎて真ん中だけペナペナにしてしまったりと、何かと失敗が多いのも角出し。

肉わけ・幅出しは、それをフォローするプロセスであるというわけだ。全体が大きく広げられた状態でのノシとなるので、乾かさないように手早く行うのも肝腎。

手打ちそば【肉わけ・幅出し】 Thickness adjustment


T01▲:麺棒の角度は45度が基本。四辺に厚みがあるので、基本的にはそれをのして生地全体を整えていく。


T02▲:また、角出しのプロセスで麺帯の中央部がすでに薄くなっているので、幅出し・肉わけのステップでは中央部をのさないようにする。


T03▲:45度にのすフィニッシュは対角の頂点。幅だし・肉わけが、角出しをフォローしているということが、この点からも理解できる。なお、築地では2006年から打ち方全般をリファインしている。このパートも、大きくのす際に腰への負担を大幅に低減するスタイルに変更した。その方法については、稿をあらためて詳述したいと考えている。