ツーリングのディスティネーションとしての蕎麦屋
▲古い建物を改装したとは思えない小粋さ
茂原は、千葉県の中央部の要所である。木更津から409号線をトレースしてひたすら東進した自動車は、茂原の駅の手前で片側二車線の茂原バイパスに直交した。GPSのガイドに従うまま、この交叉点を左折してほどなく、右側に目的地とする店が、小さく、小粋に、佇んでいた。
郷愁を誘うような、小さな、函。広い通りの、交叉点の傍らの、広い敷地のはじっこに、ちょこんと、佇んでいる。はす向かいは、公設市場の賑わい。いまではその一部がパワーセンターとなって、週末には買い物を楽しむ人波が押しよせるところ。でも、そんな喧噪にはお構いなしという風情で、小粋に佇むところがにくい。
▲Ryu庵、なんだか呼びやすい
入口には、Ryu庵と染められた暖簾がかかり、それを潜ると、あたりの喧噪とは隔絶した和風モダーンな空間へと誘われた。
カウンター、そしてセミ個室となった居心地のいいインテリアデザイン。イタリアンでも、フレンチでも通用するようなシツライなのだが、やはりこの得難い渋みは、まぎれもなく蕎麦屋!これから邂逅するであろう旨い蕎麦への期待感に、思わず心が、逸る。