で、どんなカーブにしたらよいかと訊ねられたので、日ごろから鉢に関して思うところを図にしてまとめてみた。こんな鉢ならきっと、水回しがもっと上手になるんだろうなぁと思いながら、友人のためにラフスケッチを起こしてみた。
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■鉢に求められる機能
□両手で粉をダイナミックに動かしつつ、その勢いで水を「散らす」という場を提供する
□粉体は、鉢の内部をくまなく動きまわるのが理想で、縁の僅か手前から運動に急制動がかかり、粉体が外に飛びだす(OB)ことがない形状になっていること
□水を散らすにあたっては、底面ができるかぎり平面に近いカーブであり、かつできる限り広い面積をもっていること
□この形状は、単に上から体重をかければよしとするウドン専用鉢とは異なる(ウドン専用鉢が切りたっているのは、偏平なフォルムにする必要がないため、スペースファクタを重視している故と考える)
□しかし、完璧な平面ではなく、鉢の清掃等の状況を考えると、水勾配程度の傾斜は欲しい
□中心から縁にむかっていく局線は、基本的には放物線でいいのだが、フチに至る手前で急峻に立ちあがって、粉体のOBを防ぐ仕様としたい
□鉄砲(体重をかけて、麺帯を向こう45度に抑えつけながら練りこむ技)、菊練り(麺帯を円運動させながら、向こうから麺帯を起こす時に、片手で麺帯の一部を中心に折りこみ、玉の中心に菊の文様状の襞をつけていく練りの技法)の妨げとなるので、絶対高は、粉体アンチOB特性を滿たすだけにとどめ、可能な限り低く抑える
こんなことを考えました。
いつもは、安価なステンレスのこね鉢で打っている私ですが、時折プロの環境で打たせていただくこともあるわけです。プロ用といってもそれこそ様々で、自分なりに打ちやすく感じているのは、いまここに示したような仕様となっているというわけです。
さて、皆さんの理想の鉢って?
ところで、プロが鉢を頼むときは基本的にすべて特注品なのだそうです。ここで疑問があるんですが、そのカーブはどうやって指定するんでしょうかねぇ。いくつかサンプルに触って打ちあわせるのかな?まさかクレイモデルを起こすなんてことはしないだろうし…
どなたか御存知でしたら教えてください。
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