肉料理
肉料理も2種からの1品チョイスです。
・キャレダニョーのロティ 春野菜のマスタード風味
はるばるオーストラリアからやってきた骨付き仔羊、キャレ・ダニョー。柔らかい肉質は程よ脂の入り方と「できるだけ時間をかけてローストします」という丁寧な火入れの賜物。肉は旨みこそしっかりしているものの、臭みがまったくといって良いほど感じられません。「羊はにおいが…」と思う方が多いご年配層でも、そのクセのなさに脂まで食べる方が多いということ。なるほど、料理全体の系統こそ違えど、肉自体は「
オーベルジュ・ド・リル ナゴヤ」でいただいた羊のように、とても洗練された味わいです。
・和牛サーロインのロティ ブルギニョン仕立て(+840円)
サーロインのこってりしたイメージを裏切り、ソースの力強さが気持ちよく食べさせてくれる一皿です。「ブルギニョン仕立て」という名の通り、赤ワインを使ったソースですが、こちらには牛バラ肉も煮込まれています。フランス料理というものは、食材をとても大事にします。一つの牛という食材を余すことなく使い、たとえ見えないところにでも生かして、さらなる美味しさを追求する。シンプルな料理ですが、ここにもフランス料理の真髄が込められています。
メイン料理の後、13,000円のコースにはアヴァンデセールが。下から、グリオットという酸味の強いサクランボのジュレ、桜餅のようにまったりとした甘さを持つトンカ豆のババロワ、グリオットのグラニテを重ねています。酸味と甘さの比率は2:1。このジベール氏ならではのバランス感覚が導くリフレッシュが、デザートタイムへの入り口となります。
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