レストラン　オルフェ（神戸・三宮）(2ページ目)

天秤のように見事に保たれたバランス

・人参のムース
「人参嫌いな方に人参を好きになっていただくために、お好きな方はもっと愛していただくために」と題されたこのアミューズ。にんじんは優しい甘さを持っており、特ににんじんが好きでも嫌いでもないガイドは「好き」になりました。それに合わせたコンソメは塩気をきかせてあり、人参の甘さをより引き立てます。ムースのクリーミー感も素晴らしく、このあとの料理を期待させるアミューズです。

・ブリとポワローのプレッセ　トリュフのヴィネグレット2cmほどの厚みを持つブリは、身の程よい締まり具合の中を、しっかりと旨みで満たしており、噛むたびにその喜びが。さらに青身魚と相性の良いネギ、それも甘みの強いポワロー葱が味わい深さを増します。

そして、もう一つ素晴らしいのがソースです。トリュフ・ヴィネガー・オイルの三つの要素がバランスよく配された味。オイルの油っぽさを感じさせないヴィネガー風味。ヴィネガーの酸味を刺々しくさせないトリュフの芳香。トリュフの香りを臭気にさせないオイルの柔らかさ。それぞれが見事に補完しあうようなバランスに感動しました。

・サフラン風味の竹の子の香ばしく焼いたリゾット　蛤と山菜のフリット添え　蛤などのジュのソースひと昔前なら「リゾットといえばイタリア料理！」というイメージがありましたが、最近はフレンチでもよく見かけるようになりました。それも、イタリアンのリゾットとは方向性の違う、趣向をこらしたリゾット。

しかし、このリゾットは、イタリア⇒フランスという遷移を経て、さらに日本のエッセンスを加えています。リゾットの中にある竹の子や、山菜、特にふきのとうのフリットなどは、日本人なら誰もが春を感じる春の天ぷらをイメージするでしょう。「おいしいものを食べて欲しい」と思うと、やはり日本の新鮮・旬の食材がベストだと思うんです、とこの料理を語ってくれました。他の料理では、ふきのとうを細かく刻んでソースにしたりと、積極的に日本の食材も使用されるそうです。

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