大阪グルメ/大阪のフレンチ

アキュイール(大阪・西天満)(3ページ目)

大阪キタのフレンチスポット・西天満にニューフェイス! 軽やかさとおいしさの併存した料理の数々は、キタエリアの正統派フレンチを代表しつつあります。10皿という多皿構成ながらもコストパフォーマンスも良好。

執筆者:渡部 功平

決め打ちされた付けあわせを楽しむメイン料理

・魚料理:淡路産黒メバルのポワレ オマール海老のソース ネギのデギュスタシオンと共に
むちっとした程よい固さの魚はとてもジューシー。オマール海老のソースはやや強めの味で、あわ立てることでいい塩梅の濃度になります。

そして面白いのが、付け合せ。オニオンヌーヴォー、新玉ねぎのピュレ、ペコロス、白ネギのフリッチェール、芽ネギと、すべて「ネギ」なのです。「ひとつの素材にしっかり合う付け合せって、それほど多くないと思うんです」という中多シェフ。この料理は、ネギというひとつの素材に、味はもちろん食感まで、さまざまなバリエーションを持たせているのです。

・お口直し:エルダーフラワーのグラニテ
エルダーフラワーのグラニテ
春のこの時期、辛くなってくる花粉症を緩和するとも言われているエルダーフラワー。グラニテにすることで、マスカット香をよりいっそう感じられ、気分も和らぎます。純白のグラニテは、ピュアな料理を供するこのレストランのテーマにも合っていますね。

・蝦夷鹿とフォアグラ、春キャベツのパートフィロ包み ジュ・ド・シヴルイユ
先ほどの魚料理がネギのデギュスタシオンなら、こちらはキャベツのデギュスタシオン。ちりめんキャベツ、芽キャベツに紫キャベツのスプラウトを、蝦夷鹿とフォアグラのパワータッグに乗せてきます。さらに、パートフィロの中にはシェリービネガーを含ませた春キャベツが。

組み合わせでは、一見するとキャベツが負そうですが、そうではありません。鹿やフォアグラの味の「強さ」に、野菜の持つ「甘さ」。それぞれが違った持ち味の特性を生かしているので、打ち消し合わずに味を高めあっているのです。もちろん、肉汁を吸った春キャベツ、あるいは軽い食感のパートフィロに鹿のソース(ジュ・ド・シヴルイユ)を染み込ませるのもまた楽しい。

次ページではコースのフィナーレまでをご紹介。
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