世界中から人を惹きつけてやまない、南仏地方
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青い空、まばゆい緑の南仏は、観光地であると同時に、世界有数の美食地方でもあります |
一度、南仏へ行くと、その後ハマってしまう方が多いと聞きます。青い空に輝く太陽は、日本で感じられるものとはまるで別物。かといってニュージーランドのような南半球の攻撃的な光線ともまた違う。優しさをも備えた力強い光をまた浴びたいというリピーターが、フランス好きの中でも一大勢力になっています。またフランスに行くなら、パリより南仏! と、僕も思ってやみません。
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アヴィニヨンは、都会の便利さと、南仏の優しさを併せ持つ素晴らしい街 |
そんな南仏の優しさを好む料理人が、京町堀にもひとり。「
ル・ピシェ」の冨山康輔氏。南仏の中心地、アヴィニヨンなどでハーブを使った料理にふれ、オープンしたフレンチビストロです。
レストラン料理をビストロスタイルで
僕がプロヴァンス地方で感じた南仏料理というのは、レストランとビストロの区別が、パリや北部地方の料理ほどありません。二つ星のオーベルジュでも、一瞬ビストロと思えるような素朴な料理が出てきて、食べるとその繊細さに驚くということがありました。「ル・ピシェ」の料理にも、そんなところがあります。コンセプトは「レストラン料理をビストロスタイルで」。
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ガイドが南仏でも食べた鳩料理は、「ル・ピシェ」でもいただけます。フランス・ラカン産仔鳩のロースト内臓とガラから取ったソースで |
しっかりと手をかけた料理を、気軽なビストロスタイルで食べて欲しいというのがオーナーのスタイル。そのスタイルは料理だけではなく、サービスにも徹底しています。サービスも経験されていたというシェフは丁寧ですし、サービスの女性もにこやかな笑顔をたたえ、癒される雰囲気を作り出しています。
内装はプロヴァンサルプリントのクロスがかけられたテーブルに、座り心地の良い椅子の下には荷物入れのカゴ。黄色をキーカラーとした店内は、寒色系がまったく見当たらず、温かみのある雰囲気があります。また、奥にはビストロには珍しい個室が。グループでの利用もできる、嬉しい配慮です。
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