大阪グルメ/大阪のフレンチ

桜花(大阪・本庄)(4ページ目)

スープはフレンチレストランの命。大阪キタのはずれで、その命にこだわりをみせる「桜花」は、ガイドをも感動させたスープを堪能できます。そしてスープへの入魂は、もうひとつの良い結果を店に、客に与えています。

執筆者:渡部 功平

ボリュームたっぷりのメイン料理

・肉料理:骨付き仔羊肉のロースト タイムの香り(+300円)

メインはチョイスとなり、数種類以上からのチョイスとなります。今回は仔羊をご紹介。付け合せにはさっぱりと煮た大根と、ドフィノアーズグラタン(ジャガイモとチーズのグラタン)。シェフは「特に羊はボリュームたっぷりに食べるのがおいしいと思いますので」ということで、隅から中心まで均一に火入れした大き目の肉が2本も。タイムの香りを強めにし、ほろ苦さを与えることで肉の旨みがさらに引き立っています。

・デザート:かぼちゃのプリン、クリームチーズのソルベ

とても秋らしい装いのデザートには、柿も添えられています。黒い小鉢の中身は中秋の名月に見え…と言いたいところですが、食い意地の張った僕には団子に見えてしまうんですね。中身はクリームチーズのソルベ。最初に甘さが、舌の上でとろけるときにはミルキッシュチーズ味が感じられる傑作。プリンの方は少し固めの食感。チョコのように濃厚な味は、カラメルソースとの相性も抜群です。

スープは料理の試金石

パンは自家製。丸パンには、ほんの少しだけ紅茶の風味をきかせています。
パンは自家製。丸パンには、ほんの少しだけ紅茶の風味をきかせています。
冒頭に書いたように、スープは地味な存在です。しかし、この店はその地味な存在にとても手をかけています。しかし、大事なのはその味だけではありません。

シェフに「最初からこんなにスープにこだわっていたのですか?」と聞いたところ、必ずしもそうではないとのこと。修業時代からスープは大事だと思い、もちろん丁寧に作ってはいたが、よりこだわりを持ち始めたのは、お客様から「スープおいしいね」と言われだしてからだとのことなのです。

世界で最初のレストランが開店したルーブル通り
「おいしい」と言われたから、よりおいしいものを出したい、期待に応えたい。その想いから、シェフはスープにこだわり始め、客は来るたびに感動のスープに出会えるのです。

それは、シェフがお客様の方を向いているということ。これは、ある意味で料理一品一品の味よりも大事なことなのです。おいしいと言われたから、よりおいしいものを出したい。お客様を喜ばせたい。レストランのもっとも基本的な部分です。それを、スープという目立たない料理でも、きっちりやっていることに、僕はシェフの素晴らしさを見ました。

レストランの始まりはスープであり、スープはレストランの命。シンプルさゆえに、そこには素材へのこだわり、味付けの方向性、そして料理への姿勢など、料理人のすべてが込められているのです。

お店の外観
<店データ>
■「フランス料理 桜花
所在地:大阪府大阪市北区本庄東1-25-8 アシスト94 1F
TEL: 06-6373-2823
定休日:水曜日
営業時間:昼 11:30~14:00(ラストオーダー)
夜 18:00~23:00(ラストオーダー、21:00以降は要予約)
交通・アクセス:地下鉄谷町線天神橋筋六丁目駅 11番出口 徒歩5分 
地下鉄谷町線中崎町駅 2番出口 徒歩7分 
阪急線梅田駅 徒歩15分 
地図:Yahoo!地図情報

HP:桜花 -ouka-
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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