大阪グルメ/大阪のフレンチ

ル・クロ・ド・クロ(大阪・心斎橋)

07年7月にリニューアル。フレンチファンは愛すべき名店であり、フレンチファンでない方はファンになってしまう名店「ル・クロ・ド・クロ」。その魅力は、オーナーシェフの料理哲学とホスピタリティにあります。

執筆者:渡部 功平

フレンチ好きの方も、そうでない方も


ル・クロ・ド・クロ」は、フレンチファンであればあるほど愛すべき名店です。そして、フレンチファンでない方は、ここに行けばフレンチ好きになれるでしょう。

リニューアルで、さらに「フレンチ」を感じる外観になりました
リニューアルで、さらに「フレンチ」を感じる外観になりました
心斎橋に2店、天満橋に1店。「ル・クロ」の2号店として02年にオープンした「ル・クロ・ド・クロ」。縦に長いビル1棟をまるごと使ったフレンチが、この07年7月にリニューアル。レストランには珍しく、青系の色であるエメラルドグリーンの壁面は、フランス独特のセンスといえるもので、ひと目でここがフレンチであることが伝わってきます。

ドアを開けた1Fのエントランスには、使われているプロの食材が並んだ棚と厨房。厨房からは「いらっしゃいませ!」の声が
ドアを開けた1Fのエントランスには、使われているプロの食材が並んだ棚と厨房。厨房からは「いらっしゃいませ!」の声が
こちらのランチは1,575円~。ディナーメニューはプリフィクスの5,500円・7,000円とシェフのおまかせ10,000円の3コース。その日のお腹の減り具合、気分で好きなものが選べるようになっています。これはオーナーシェフの黒岩氏が以前料理長を務めていた「サカナザ(現在は「サカナザ・マエダ」)」から踏襲しており、系列店「クロ・ド・マリアージュ」での何十名というウェディングですら、事前に決めることでプリフィクスにしてしまう徹底ぶり。

サービスも経験されている黒岩氏は、「サービスはまずお伺いを立てること」と言います。まだまだ堅いイメージのあるフレンチですが、あくまで主体はお客様。自分のレストランではお仕着せのサービスではなく、「おもてなし」をしたい。そのためにはまずお客様にお伺いを立てることから始まる、と。

ホスピタリティに溢れていることもあり、店内のお客さんたちはみんな楽しそう。そうなると、何だかこちらまで楽しくなってしまいます。サービスは若い方が多いですが、いや、若いからかもしれません、礼儀は正しくとも、かしこまりすぎない雰囲気を持った人ばかり。

各フロアで雰囲気の違いを楽しむ

そのホスピタリティは内装にも活かされています。この「ル・クロ・ド・クロ」では、2~4Fのフロアによって、まったくコンセプトが違う内装になっています。

・2Fはカジュアルに
2Fはカジュアルダイニングの18席。オレンジや緑など、暖色系の色でコーディネートされ、フランスのブラッスリーやビストロのよう。テーブルの間はやや狭めですが、それがむしろ賑やかさになっており、ここで食べているお客さんの笑顔がみんな、とても素敵でした。

少人数でも使える個室として人気
・3Fは個室で
3Fは個室仕様。こちらは個室&靴を脱いでスリッパで、ゆった~りとくつろげる空間。三つのルームはそれぞれ4名用となっているので、少人数でも個室のリラックス感が得られるのが嬉しいフロアです。

・4Fはシックに
4Fはモノトーンの内装に濃紺のクロスというカラーで、チェアーの形や全体の雰囲気はモダンでシックなダイニング。気合の入ったデートなんかにはこちらでしょう。同じダイニングでも、カジュアルな2Fと比べると席数も減り、何となくワクワク感が漂います。

お箸の国の人だもの
お箸の国の人だもの
また、こちらではすべてのテーブルにカトラリーと一緒にお箸がセットされています。これも「レストランではくつろいで欲しい」というオーナーの考え方から。ナイフとフォークを使い慣れない方でもフレンチは楽しめるんだということを教えてくれます。僕が一番好きな料理ジャンルはフレンチですが、それでも特に前菜などはお箸で食べると食べやすい。味や同席者との会話に、しっかり集中できます。

次ページから、「ル・クロ・ド・クロ」のディナーをご紹介します。
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