大阪グルメ/大阪の中華

福臨門酒家 大阪店(心斎橋)(2ページ目)

半世紀の歴史を持つ高級中華「福臨門酒家」。香港に本店を構える名店が、07年7月に移転リニューアル。ゆったりとした贅沢な空間での中華は格別。高級素材をリーズナブルに楽しめるランチコースをご紹介します。

執筆者:渡部 功平

ランチコース「楽 ~らく~(4,830円)」

ランチコースは4,830円、7,350円、10,500円の3コース。まずは4,830円の「楽 ~らく~」をご紹介します。なお、こちらは7月のメニューで、内容については月替わりとなります。

・前菜

前菜4種盛りです。この日はくらげ、鴨の炭火焼、きゅうり、かぼちゃプリン。やはりオススメは鴨の炭火焼。炭火でパリパリに焼かれた皮の食感が最高で、身の締まり具合も絶妙。噛んだ瞬間にあふれ出る肉汁の量、そして質はかつてないほど。きゅうりはさっぱりと、かぼちゃプリンはあっさりめ。くらげは、これがなかなかのもので、コリコリの食感と上品な風味が、シンプルでありながらひとつの料理としての質の高さを示しています。

・五目入り冬瓜スープ

世に「随園先生」と呼ばれる詩人、そして東洋のブリア・サヴァランとも称される美食家の袁枚が著書「随園食単」の中で生臭もの(濃厚なもの)にもよく、精進もの(淡白なもの)にもよい」と評された数少ない食材、冬瓜。その秘密は96%という驚異の水分含有量で、どんな食材にでも合う万能選手。薬膳などにも使われる栄養たっぷりの食材は、豚肉やフクロタケなど、五目具材との相性も抜群。夏バテも吹っ飛ぶ栄養スープです。

・点心4種

約30種の中からお好きな点心を選べます。ガイドが選んだものについては、最後のページでご紹介しています。

・地鶏と金華ハム、野菜の蒸しもの

中国・浙江省の金華地区で作られる、世界三大ハムのひとつ、金華ハム。見ての通り、脂肪が少なく肉の旨みが詰まった赤いハムは、上湯など、中華のダシや味付けに欠かせない最高級ハムのひとつ。口に運ぶと、その味わいの深さには驚かされるばかり。塩辛さなど微塵も感じさせないうまみがあります。地鶏と野菜たちもそれぞれ芯のある味を持ちますが、それらをあっさりとまとめ上げる、スープの上品さが一番すごいと思わせる料理です。

・牛肉入りXO醤炒飯

料理の締めは、こちらと「アモイ風ビーフン」からのチョイスとなります。「炒飯はパラパラを以って良しとする」が信条の僕。こちらはその点、パーフェクトと言わざるを得ません。素材はやはり、炒飯だけは日本の米(ジャポニカ種)よりインディカ種の長い米に限ります。そこに火力、そして料理人の技術が揃わないと、これだけの炒飯は作れないでしょう。

・マンゴープリン

スイーツを愛する僕は、これまで数多くのマンゴープリンを食べてきましたが、その中でもこれはNo.1です。マンゴーの濃厚さと香り、そして食感のバランスが何よりも素晴らしい。果肉も入っていて、マンゴーをとことん味わえるデザートです。


次ページでは高級中華のエスプリを堪能できるランチコースをご紹介。
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