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このレストランの良さを1皿に凝縮。ヨコワとシラサ海老のサラダ仕立て 花ズッキーニ添え |
前菜の1つ目は、
ヨコワとシラサ海老のサラダ仕立て 花ズッキーニ添え。もちろんヨコワもおいしいのですが、野菜のおいしさが際立っています。写真手前の鷹峰唐辛子はシェフみずから収穫に行ったものだそう。肉厚で濃厚な唐辛子は、噛むたびに惜しげもなく、そのうまみ汁を出してくれます。他の野菜も、苦味ばしった味が、その後に来る甘味をより強調する良素材。これこそが自然の野菜のおいしさ、と言わんばかりです。また、ズッキーニの花部分にはシェーブルチーズ(山羊の乳を使ったチーズ)が詰められていて、味のアクセントに。個性の強い素材を使いこなした、大地の恵みを感じる一皿でした。
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これも前菜ではなく立派な魚料理以上のレベル。手長海老のヴァプール シャンパーニュ風味のナージュ |
前菜2は
手長海老のヴァプール シャンパーニュ風味のナージュ。蒸気を使って蒸すヴァプールは、素材のうまみや風味をいかした調理法。このため、海老の身が、かつて体験したことがないほどジューシーに仕上がっています。スープはいわゆるビスク(甲殻類のスープ)と違って、塩辛さのない優しい味わい。しかし、海老の旨みがとことん凝縮されていて美味。体の芯から幸せになれます。
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この日、唯一残念だった、岩手花巻産 白金豚のロースト ジンジャー風味のソース |
メイン料理は選択制。僕は鹿肉を、相手は豚肉。全部で5種類からのチョイスで、残りは鮮魚のムール貝風味スープ仕立て、黒牛和牛のステーキ、山鶉のキャベツ包み(+1,500円)。豚肉は
岩手花巻産 白金豚のロースト ジンジャー風味のソース。相手によると、残念ながらこの豚肉は固かったとのこと。しかし、マンゴーを使ったソースはおいしいかったということでした。
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しっとりと焼かれた肉がソースと絡み合う、蝦夷鹿もも肉のロティ ソースポワブラード・レザン |
しかし、鹿肉の方は素晴らしい。
蝦夷鹿もも肉のロティ ソースポワブラード・レザンです。しっとりとローストされた鹿肉にポワブラード(胡椒)ソースにレザン、ぶどうでフルーティーさを足して、より風味豊かに。付け合せはトランペット茸や栗など、旬の秋の味覚を中心に。すべて王道とも言える組み合わせを、丁寧さで特別な料理に仕立てています。
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質・量ともに充実のデザートをご紹介。