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至福の焼肉、カルビ亭…福岡・薬院(3ページ目)

東京の食いしん坊に教わり、福岡で30年続く小さな家庭的な焼肉店に出会いました。陶酔の特選タン、驚嘆の上ミノは、極上肉を見分ける店主の眼力のたまもの!

川口 葉子

川口 葉子

カフェ ガイド

ライター、喫茶写真家。著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』(祥伝社)、『街角にパンとコーヒー』『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』(実業之日本社)他多数。雑誌、Web等でカフェやコーヒー特集の監修、記事執筆多数。Webサイト『東京カフェマニア』主宰。

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厚切りの特選タン

陶酔の特選タン

カルビ亭の真価は、タレに漬け込んだ肉をいただく韓国流ではなく、塩をふって黒毛和牛の肉の旨みそのものを堪能する日本流の食べ方にこそ発揮されます。

会社員から転身した田中さんは最初に和食を学び、中洲で天ぷらの屋台を開業。しかし徹夜続きの生活から健康を損ね、20代の半ばに当時はまだ数少なかった焼肉店の世界に飛び込みました。

「開業前後に20数回も韓国を訪れ、焼肉店を訊ね歩いてヒントを探しましたが、結局は自分の得意な和食の世界ならではの、素材重視の楽しみ方を究めることにしたんです」

調味料は控えめにして素材の持ち味そのものを存分に味わいつくしたい私にとって、カルビ亭の塩でいただく分厚い特選タンは最高! あ、もちろん秘伝のおいしいタレも用意されていますので、たっぷりとタレをからめたい向きはご自由に。

買い付けたばかりのタンは大きな塊ですが、20日間ばかり熟成させると3分の2ほどの量に凝縮されます。そこから「タンの中で本当に旨いのはここだけ」という部分のみを選んだ、本当に贅沢な一皿。

厚切りだからこそ、限りなくふくよかな食感が際立ちます。口の中に入れて柔らかな肉の底まで噛むやいなや、芳醇で深い旨みがいっきょに溢れだす感動! 焼肉マニアの方々がよく言う「歯茎にまとわりつく肉汁」ですね。にじみ出る甘みは、巧みな熟成から生まれます。

よくお目にかかる冷凍薄切りタン塩とは全く別もの。たとえて言うなら、名珈琲店のマスター入魂のネルドリップとインスタントコーヒーくらいの落差。鮮烈な喜びが味わえます。

驚嘆の上ミノ!

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