東京から食いしん坊たちが通う、小さな名店

今回は番外編として、福岡の繁華街・薬院にある小さな焼肉屋さんをご紹介します。メディアの取材依頼を断りつづけているお店なのですが、[カフェ]という全く関係のないジャンルだったせいでしょう、幸運にも掲載許可をいただくことができました。
(TVや雑誌で紹介されると一過性のお客さまがお店を荒らしてしまう例もあり、ふだん通ってくれるお客さまを大切にしたいと考える店主は、メディアへの露出を懸念することが多いですよね)

秀逸なおいしさと驚きのコストパフォーマンスに魅了され、地元の人々はもちろん、東京をはじめ全国から食いしん坊の大人たちが訪れる、アットホームな焼肉店。「カルビ亭」という至極平凡な、およそ期待感を盛りあげてくれない店名ですが、1978年の開業当時はそんな名称は周囲に存在しなかったようです。

この小さな名店を愛する人が語る感動の言葉の中に「もたれない!」という表現がありましたが、それは旨味たっぷりの肉に含まれる脂の上質さのたまもの。
昨今の食べ手は、いわば霜降り至上主義に陥りがち。A5、A4などという霜降りのランク付け専門用語も一般に浸透し、霜降り具合さえ良ければおいしいと思ってしまいがちですよね。けれども、プロから見ればそこには誤解が含まれているようです。

ブランド牛を飼育する生産者の中には、なるべく早く大きく太らせて売ろうと思っている方もいらっしゃいます。けれども急いで太らせると、霜降りはきれいに出ても、肉に味がのってこないのだそう。そのために脂っこくて胃にもたれる“高級牛肉”、A5ランクであっても旨みの薄い肉に遭遇することが多くなってしまうのです。

▼極上の味は店主の選択眼が決め手