初めてのラテアート選手権出場、そして…
2005年、シアトルで開かれたカフェとコーヒーの見本市を訪れた澤田さんは、そこでラテアート選手権に出会います。壁に貼り出された入賞ラテアートの写真を見て、「これならおれでも描けるんちゃう? 次回は出てみようか」と軽く思いついたのが出場のきっかけ。
「いざ出てみたら、全然できないんですよね。使ったことのない豆、初めて触るマシンで、具合がわからない。結果は全然だめだったけれど、そこで学びがあったんです。いろいろと気づいたことがあったし、他の出場選手たちのテクニックにも刺激を受けて、次はもう少しましにできるやろなと思った。そんなことの連続で、何度もチャレンジし続けることになったんです」
出場しているバリスタたちと仲良くなり、彼らが実際に働いているカフェに遊びに行ったりしながら、北米のリアルなカフェ文化を体感していった澤田さん。2007年にはベスト5に入るまでに腕を上げていましたが、チャンピオンシップ出場中に、日本で父親が病気のため急逝。
「帰国したらすでに葬式が終わっていて、仏壇にトロフィーも飾れませんでした」
そのことが澤田さんの闘志をかきたてたのか、翌2008年9月のシアトル大会で、8回目のチャレンジにしてみごとに予選、ファイナルとも1位に輝き完全優勝。現在はDEAN&DELUCAを退社し、バリスタトレーナー、カフェコンサルタントとして活動の舞台を広げています。
澤田さんの優勝を報じるBarista Magazine