京都暮らしの三枝さんが島の声に呼び寄せられるようにして沖縄に移住したのは2003年のこと。島は三枝さんに小さな星砂ほどの不思議をいくつもプレゼントしたようだ。
2005年に誕生したカフェは、調和を意味するユニゾンと名づけられた。飲むこと食べること、音楽、アートなどがカフェのもとに集まり、人々の暮らしのなかで有機的に響きあう――そんなイメージを託して。
カフェは眼下に広大な米軍住宅がひろがる高台にあった。窓からの眺めは見飽きることがない。その日の宜野湾上空は、光をこもらせた雲におおわれて白かった。晴れた日には水平線に沈む夕日と、次々に灯をともしていく街が眺められるという。