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【雑貨喫茶 十一月】…札幌のカフェ(3)(2ページ目)

札幌カフェシーンの牽引役FAB cafeの2階に、味わい深い古雑貨の並ぶカフェがありました。ポットでサーブされるフランス紅茶の名前は「空の子供」。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

役に立つもの、役に立たないもの

雑然と置かれていながらひとつの美しい秩序を感じさせる古雑貨の数々は、たとえばその昔、小学校の保健室にあったような白い薬棚。フラスコ。革紐のついた水筒。おおらかな形状の鍵。琺瑯のトレイ。役に立ちそうな良いモノも、役に立たない素敵ながらくたも、いったい何の用途に使うのかわからない不思議なモノも、しんと静かに並んでいます。

「かつてはどこの家庭にも普通にあったものばかりです」
というオーナーの倉谷やよいさんはFAB cafeのオーナーの奥様(写真下左)。
「古物の楽しみのひとつは、本来の用途とは違う新しい使い方の発見にあると思っています。役に立ちそうもないもの、何だかわからないものでも、そこにあるだけで景色が変わったりするんですよね。そんなことを想像してみるのもまた、楽しみのひとつです」

想像力をかきたてる美しい店名は、2004年11月にオープンしたので、というシンプルな由来でした。

「古いものばかりで好き嫌いもありますから、お客さまには必要以外には声をおかけせず、無愛想にしております」
と倉谷さん。
「店内での携帯電話はご遠慮願っています。モノをなんでもかんでもさわる方も…」
と笑う彼女ですが、身にまとう雰囲気はいたって柔らか。作り手の姿勢はお店のすみずみに行き渡っているようで、二人連れで雑貨を見にきた女性たちも、声のトーンを落としてそっと会話を交わしていました。

▼フランスの紅茶「空の子供」

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