CAFFE VITA(カフェ・ヴィータ)
JR松江駅からバスで5分、大通りから少し奥まった一角に、青空によく映えるCAFFE VITAの真っ赤な建物があります。VITAはイタリア語で”生活”。おいしいコーヒーがいつもあたりまえにある生活を、という願いをこめて名づけられた店名です。CAFFE VITA=コーヒーライフ。美しいシルバーのカウンターと、違和感なく調和する木の質感。明るく広い店内でもぱっと目にとまる真紅のチンバリのエスプレッソマシン。アクリル板を用いた透明なメニューボードが洗練された印象です。
オーナーは門脇家の次男、門脇裕二さん。 2002年から今年にいたるまで、日本バリスタチャンピオンシップで連続入賞の確かな技術を持つ彼は現在27歳。いかにも現代青年ふうの風貌ながら、エスプレッソについて語る言葉からは、究極の一杯に賭ける真摯さが伝わってきました。
コーヒーの仕事以外、考えられなかった
「父の経営するサルビア珈琲は1階が店舗、2階が居住スペースになっています。子どもの頃、学校から帰ってくると、いつも父が店のカウンターごしにお客さまと話していたんです」と裕二さん。そんな光景を見て育ったために、ごく自然に自分もコーヒーの仕事をするんだと思うようになり、それ以外の仕事は考えられなかったといいます。
「逆に言えば、もし実家が珈琲店でなければ、この道には進まなかったかもしれません」
高校を卒業してすぐに、彼は長男の洋之さんと同じコースをたどります。大阪の有名フランス菓子店で働くかたわら、夜は製菓学校に通ってパティシェの資格を取得。その後、父の美己さんからコーヒー豆の焙煎とドリップの技術を学び、イタリア各地のバールを見て回って現地でも1週間ほど働くなどして、その腕を磨きました。
CAFFE VITAのエスプレッソは、裕二さん自身が焙煎した豆で抽出しています。スイーツも裕二さんが考案したもの。
「店で出すものは、すべて自分で作りたいんです。お客さまに質問されたときにも、提供する側として最低限の知識と責任を持って、きちんとお答えしたい」
そんな裕二さんに、おいしいカプチーノの見分け方と、正しいエスプレッソの飲み方について質問してみました。