ワイン/ワイン産地と生産者のレポート

ブルゴーニュで会ったこの人のワインを飲む(5ページ目)

ブルゴーニュの現地取材で、この地方屈指の銘醸地ヴォーヌ・ロマネ村のワインを造る生産者たちに会った。じっくりと飲みたくなったワインを造っていたのは、こんな人たちだった。

執筆者:橋本 伸彦

シュタイナー式農法の畑は馬で耕す

熱心に自らのワイン造りを説明するティボー・リジェ・ベレール氏
ティボー・リジェ・ベレール氏は2002年にドメーヌを相続し「2004年から全てのワインをビオディナミに切り替えました」という。ビオディナミとは、ルドルフ・シュタイナーの考え方を応用した農法である。

例えば澱引きのタイミングは、月の位置が良い日でしかも天気の良い時を選ぶ。また、この日試飲に供するワインの畑は、トラクターのように土を固めてしまわず微調整の利く馬で耕している。「ビオロジック(有機農法)がケーキだとすると、一番上に載せるサクランボがビオディナミ」つまり、さらにもう一歩上の完成度を目指す方法だという。

ヴォーヌ・ロマネ村の畑オー・レア2006年は、樽香と芳香がバランスを見せる。とろりとリッチな飲み口だが、エレガントだ。いっぽう特級畑クロ・ド・ヴージョは、かなり力強い。だが口当たりがスムーズで、芳香がしっかりしている。クロ・ド・ヴージョの中で彼の区画はヴォーヌ・ロマネ村寄りの位置にあり、味わいもヴォーヌ・ロマネ的だという。

そして最後に試したのは、ヴォーヌ・ロマネ村の特級畑リシュブール。若いせいか味はタイトで香りも閉じこもっているが、しっかりと大きなスケールがある。ポテンシャルを感じるワインだ。リジェ・ベレール氏のキャラクターから連想させられるような、伸びやかさと繊細さを兼ね備えた味わいである。

この夫婦のワイン、2006年は?>>
  • 前のページへ
  • 1
  • 4
  • 5
  • 6
  • 8
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます