シュタイナー式農法の畑は馬で耕す
熱心に自らのワイン造りを説明するティボー・リジェ・ベレール氏 |
例えば澱引きのタイミングは、月の位置が良い日でしかも天気の良い時を選ぶ。また、この日試飲に供するワインの畑は、トラクターのように土を固めてしまわず微調整の利く馬で耕している。「ビオロジック(有機農法)がケーキだとすると、一番上に載せるサクランボがビオディナミ」つまり、さらにもう一歩上の完成度を目指す方法だという。
ヴォーヌ・ロマネ村の畑オー・レア2006年は、樽香と芳香がバランスを見せる。とろりとリッチな飲み口だが、エレガントだ。いっぽう特級畑クロ・ド・ヴージョは、かなり力強い。だが口当たりがスムーズで、芳香がしっかりしている。クロ・ド・ヴージョの中で彼の区画はヴォーヌ・ロマネ村寄りの位置にあり、味わいもヴォーヌ・ロマネ的だという。
そして最後に試したのは、ヴォーヌ・ロマネ村の特級畑リシュブール。若いせいか味はタイトで香りも閉じこもっているが、しっかりと大きなスケールがある。ポテンシャルを感じるワインだ。リジェ・ベレール氏のキャラクターから連想させられるような、伸びやかさと繊細さを兼ね備えた味わいである。
この夫婦のワイン、2006年は?>>