これがボルドー尽くしのディナーだ
アペリティフには優良白ワインで知られるグラーヴ地区から、シャトー・ダルシャンボーの白。ソーヴィニヨン・ブランにセミヨンを2割効かせて爽やかである。これはアミューズ・ブーシュ(先付け)と合わせる。特撰生雲丹 甲殻類のジュレになめらかなカリフラワーのクレーム |
この後に、『活オマール海老 アワビと共にピペラード仕立てのリゾットに』(「ピペラード」はバスク地方のピーマンのトマト煮込みのイメージだろう)をシャトー・ラ・トゥール・レオニャンと。このワインはグラーヴでも特に優れた区域ペサック・レオニャン産で少しコクがあるため、オマールやアワビの旨味とも釣り合う。
天然真鯛 五香紛の香りと共にソースヴェルジュテを添えて |
右の写真は真鯛に「ソース・ヴェルジュテ」(ブドウ果汁を加えたソース)を添えたもの。これをドゥルト社のグランド・キュヴェ・サンテミリオンと楽しむ。メルロー主体でスパイシーかつ土臭いニュアンスもあり、中華料理の香辛料・五香紛や真鯛の香りとマッチする。
特撰牛ロース肉 ボルドー産ホワイトアスパラガス、モリーユ茸を添えて |
さて、ここまでのメニュー。クリーム、フォアグラ、牛肉にモリーユ茸とリッチな食材が組み込まれており、すでにお腹は一杯……と思いきや、ここでひとつ涼しげなゼリーものが入る。
バラの香りをまとった赤くなめらかなジュレ |
デザートの『フルーツマリネ バジル風味のソルベとスープを合わせて』はベリーなどの果物をスープ仕立てにしており、ルピアック地区のクロ・ジョンは申し分ない。可愛らしい野草の黄色い花や、アプリコットを想わせる甘酸っぱさがデザートに似合っている。
ひとつひとつの料理に合うよう、お手頃なボルドーワインだけで組み立てたディナーである。あなたも家庭でそしてレストランで、こんなディナーを組み立ててみてはどうだろうか? 何か一品に合わせるワインに迷ったら上の組みあわせが参考になるだろう。専門家が選んだバリューボルドー、なかなか重宝しそうである。
『バリューボルドー2007』の詳細は?>>