テイスティングしよう
「テイスト」というのは「味わう」ことで、ワイン「テイスティング」は味見である。ワインを造っている人がタンクから味見することもあれば、業界人が仕入のために、一般人が買物の参考にするといった場合もある。また、ワインを味見するための集まりや催し物、日本語で言う「試飲会」も、英語では「テイスティング」と呼ばれることが多い。
レストランなどでの味見は別な記事で説明しているので、ここではワインの味見を目的とした集まりについて話そう。ワインを楽しむいわゆる「ワイン会」より本格的で、シリアスな「勉強会」よりは肩の力を抜いた、ワイン好きの井戸端会議みたいなものを想像して頂きたい。
「テイスティング」って何?
味見して、品質が良いかどうか見極める。これはなにやら神業のように思われているが、そうでもない。基礎的な知識を押さえた上で上級者と一緒にテイスティングを重ねていけば、ふつうは次第に違いが判るようになっていくものだ。
ごく基礎的なことを押えてみよう。まずテイスティングは飲み会ではないということ。味を見るのがいちばん大切なので、酔っ払って楽しく会話したりするのはおまけである。ワインの味わいについて自分の確認したことをメモして持って帰るのが基本。
みんなで味見してメモするなんて不気味……などというなかれ。あなたがいつまで経っても美味しかったワインの生産者やヴィンテージが思い出せないのは、メモしておかないからである。
ほかにもコツはたくさんある。