フランスのベーシックなパン
先に書いたマンゴーフロマージュのように、毎年配合や製法を変え、年号を記したパンもある中で、フール・ドゥ・アッシュのオープン当初からずっと変わらないパンもあります。それは、クロワッサン、バゲット、パン・ド・セーグルなど、フランスのベーシックなパンたち。「プレーンなパンも一生懸命焼いていますよ」と笑う天野さん。魅力的なバラエティブレッドの数々は、基本的なパンを焼けなかったら存在しえないでしょう。日々更新される贅沢な素材使いのパンはフール・ドゥ・アッシュの特長のひとつですが、こうしたパン職人らしいベーシックなパンにもファンが多いのです。
フランスのメゾンカイザーでの修業時代、菓子職人出身の天野さんにはとても大変な時期だったそうですが、カイザーさんはいつもウィンクして励ましてくれたのだそう。フランスパンの基礎は、カイザーさんにあります。
低温長時間発酵のバタール(380円) |
ラ トゥルトゥ ドゥ ミワ (1/4カット350円)「ねっちり重め」と書かれた通好みのライ麦パン。どっしりとして酸味がある。 |
長時間発酵のパンや、どっしりとしたカンパーニュは劣化が遅く、味も食感も香りも、東京への長旅に耐えて保たれていました。足繁く通えない人にもおすすめの、頼もしいパンです。
時間があれば、こういう食事系のベーシックなパンをつかったお惣菜パンをイートインでいただくのがおすすめです。 お昼時になると次々にできあがってくるのが、ベースにシンプルな生地を使い、具材を贅沢に使用したタルティーヌやタルトフランベ(ピザ)。できたてのところをいただきたいパンです。
隣のカフェ「マルシェ」(別経営)では土曜を除くランチタイム後の13時から、フール・ドゥ・アッシュで買ったパンのイートインが可能となります。温めたほうがおいしいパンは温めて、席まで持ってきてくれます。
次のページではそんなイートインで食べたいパンをご紹介します。