神宮前

私はこのレストラン、いや、ビストロを少し見くびっていたかも知れない。07年の開店以来何度か、そのフランス人オーナーシェフの作る「本場のビストロ料理」をいただいた。ここは東京だぞ、と何かしらの偏見を持って「ふ~ん」なんて気持ちで食べていたわけだ。味覚の記憶を辿ればそれなりに美味しいし、料理に関してはアラを探してもなかなか出ては来ない。神楽坂あたりに集まる大味ビストロとは少し違う、モダンな現代風パリ食堂といった印象にあまり興味は惹かれなかったわけだ。
エントランス
ファッショナブルなビルの4Fにある
とは言え、よく考えると旨いのだが何かバランスが悪い。パリで人気のビストロの東京支店。超有名ブランドショップが入る一等地のビル。そこにフランス全土を網羅するビストロ料理がある、そのアンバランスさに気が付かないうちに何かを拒絶していたとしたらもったいない話だ。

例えばサラマンジェは虎ノ門の非常にわかりづらいビルの地下にあり、ローブリューは青山の路地裏に潜み、コムアラメゾンは赤坂であってもちょっと説明しづらい場所にある。なんとはなくビストロってこういう立地にあるもんかな、という先入観がある。飲食店は簡単には店の場所を変えることはできない。プレヴェールは神宮前のモダンなビストロ!と気持ちをアクセプタブルにして久しぶりの訪問だ。
気軽に入れる雰囲気が心地よい
今回はアルザス料理を前面に押し立てた料理のフェアが開催されており、それをネタに出掛けてみたわけだが、以前の訪問同様、過剰な期待感は持ち合わせないまま案内された席についた。

しかし、フロマージュ・ド・テットが出るとすぐにびっくりスイッチが入ってしまう。