フレンチ/東京のレストラン

オハラスレストラン(五反田&大崎)(3ページ目)

ひっそり佇む名店オハラス。小原家のレストランにはあたたかく、そして気品ある世界が拡がる。フランス料理の王道を行く料理、そしてホスピタリティはすべての料理店の見本になるといっても過言ではない。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

イベリコ豚
飽きのこない味わいに高い技術が垣間見える

レストランの持つ力に

イベリコ豚の肩腹肉のローストは肉料理の見本のような一皿。二人前からの注文だが、一人で二人分食べてもいいのだろうか?そう聞きたくなることを抑えつつ、食べ始めると、豚肉ってこれほどに旨かったのか!と感嘆の気持ちが爆発する。ソース自体は非常にシンプルなのだが、それがかえって肉から解き放たれた脂身に溶け込み、食べることを飽きさせないポイントととなっている。焼き加減や塩の振りなど当たり前だが、申し分がない。


ジュ・ド・ブッフ
まるで見本のような牛頬肉の赤ワイン煮込
同席者3名は会話を交わすことを忘れ、ひたすら肉料理との格闘を続ける。マダム・ルロワはワインのことはワインに訊きなさいと言うが、皿から沸き立つ料理に対し、訊くことはできなくても、料理に思いを語りかけたい

ああ、フランス料理ってやっぱり素晴らしい。

料理全体の傾向は非常にトラディショナル。炭火焼きなんとか風とか、和の素材のなんとかポワレとか創作風フレンチとは無縁の世界。伝統的なレシピに沿って、日本の食材とフランスの食材を組み合わせ、フレンチの伝統をさり気なく、極めて自然に表現する。フランス料理の王道をゆっくりあるく小原シェフ。人を見ればどんな料理を作るかわかる、とまでは言い切れないが、シェフと話をすると感じるものはきっとあるに違いない。

店内
以前から気になっている、パリの街角を描いた絵
オーナーシェフである小原氏は2000年12月に札幌の老舗フレンチ「メゾン・ドゥ・サヴォア」を閉め、元々の地元である東京に戻ってきたのである。そして2001年夏、五反田の地に「Ohara's」を開店。マダムのマリーテレーズ小原さんと息子さんと家族で切り盛りするところから「Ohara's」、つまり小原家のレストランという名をつけたと聞く。レストランの名に家族の名をつけるところに、ずっとこの地で永く暖簾を掲げる意志が強く滲み出ている。と同時に、料理やサービス、立地を超越した、「レストランの持つ力」を感じることができるのだ。

大切に大切にしたいレストランのひとつである『小原家』。店の入れ替わりも人の入れ替わりも激しいこの時代、永く続けて欲しいと願わずにいられない。

オマール
以前にいただいたオマールも記憶に残る料理の一つ
オハラスレストラン
品川区大崎5-4-18 朝日プラスチックビルB1
03-5436-3255 
月曜と第3火曜休 
ランチ 11:30~14:00 3000円から
ディナー18:00~21:00 7350円からコース、アラカルトあり
サ10%別

地図

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