青森ハーブではなく、あくまで北緯40度のハーブ
上:インカトマト 左下:つゆ草 右下:アップルミント |
これらのハーブを、最初に見学させていただいたのは、八戸駅から車で30分ほどの六戸町の畑。
説明の中で、大西さんが「青森ハーブ」とは言わず、あくまで「北緯40度のハーブ」と呼ぶ、その理由を聞いてみたところ、「青森は、ハーブの原産地でもあるヨーロッパの地中海地方とほぼ同じ北緯40度に位置する。この地域に普及してゆくのがハーブなら、あえて青森と言う必要はない」とのこと。
また、こちらでは、北緯40度とほぼ同じ南緯40度で、今も自生するインカトマトも栽培。これは、トマトの原産地と言われるアンデス高原で育つ、野生種のトマト。現在、8,000種あると言われるトマトの品種のひとつです。イクラを少しふくらませたくらいの小さな粒ですが、皮はプチプチッとはじけるような食感。でも、果肉はとろっとして、とても甘いです。
このインカトマトが生えていたのは、数あるハーブにも増して、無法地帯。好き勝手に生きさせているイメージが強い一角でした。でも、この環境が、インカトマトには適合するようで、手を加え、試行錯誤をくり返すほど、その栽培はうまくいかないのだそう。原産地に近い環境であることを強みに、大西さんはこのインカトマトを雑草と言い切り、自由に育てています。
作り手と使い手の結束がハーブの力を世に広める
噛むと甘いフェンネルの花 |
大西さんいわく、「鶏肉を焼く時、ハーブを入れるだけでグッとおいしくなる。そんなハーブの使い方を、一般の生活者が知っていたら、食生活はもっと豊かになる。だが、普及には時間がかかる。そのためには、レストランで体験してもらうのが一番。そのうち、それが生活に役立つようになり、家庭でのハーブの役割が増えてくる。ハーブの力を、もっとたくさんの人に知ってもらうためにも、私にとってシェフとのつながりはとても大切」。
そんな大西さんのラブコールに対し、「僕を通して、世の中にハーブを広めることができるなら、喜んでその役割を務めます」と応える横江シェフ。
もともと、バジルを茎で巻いて、花束のようにしてソースに入れたり、同じくバジルを冷凍庫に入れ、ゲストの前に届く頃、ちょうど香りが立つよう、パラパラに砕いて鶏肉にのせたりと、料理には常に工夫を凝らす横江シェフですが、今回、大西ハーブ農園に出向き、よりたくさんのハーブにふれたことで、さらにイメージもふくらんだよう。
それは、噛むと葉から酸味が出るプチ・オゼイユを、ニンニクとアンチョビソースたっぷりのバーニャカウダで出したり、ピリピリするルーコラ(ルッコラ)をスッと食べられるよう、ドレッシングにバルサミコを加えるなど。
ディナーコースにナスタチウムの葉と花をアレンジ
甘鯛のうろこ焼き、きぬかつぎの塩ゆでにのせて ナスタチウムの葉と柚子の泡々をアクセントに |
そんな横江シェフが創る「ラ・ヴェロニカ」の10月のディナーコースにも、大西ハーブ農園のナスタチウムの葉と花がしっかり盛り付けられています。サクサクした食感の甘鯛のうろこ焼きもさることながら、赤と緑が映えるアレンジの美しさは、溜息が出るほど。
また、10月31日には、「ふたりのシェフと美味しい秋の夜遊び」と称する、「賛否両論」の店主・笠原シェフと横江シェフの一夜限りのコラボレーションディナーも開催されます。
*** 大西ハーブ農園は、受注発送のみのため、通常、一般見学は行われていません。***
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「ラ・ヴェロニカ」ダイニング |
■ラ・ヴェロニカ
所在地:東京都港区六本木1丁目6-1 泉ガーデン5F
TEL:03-5575-8055
営業時間
ランチ :11:30~14:00(LO)
ディナー :18:00~22:00(LO)
土曜・祝日:17:30~21:30(LO)
ラウンジ :18:00~23:00(LO)
定休日:日曜日
南北線 六本木一丁目駅上
銀座線南北線溜池山王駅より徒歩約10分
日比谷線神谷町駅より徒歩約8分
地図:Yahoo!地図情報
長靴のまわりに雑草のように広がるアップルミント |
■大西ハーブ農園
所在地:青森県上北郡六戸町大字折茂字前田3-2
TEL:0176-55-3459
FAX:0176-55-3059
地図:Yahoo!地図情報