我が眼前に立ちはだかる者
近年、強いコンピュータープログラムが出現し、パソコンで腕を磨いた無名のプレイヤーがいきなり大会で上位入賞することがあるのは事実です。だからといってパソコンの力のみで人は強くなれるわけではありません。眼前の敵は血の通った人間であり、現実の試合においては、プログラムでは決してありえないファクターが勝敗を分けることが多々あるからです。
ポーカーってのは自分のカードに賭けるだけのゲームじゃない。相手の弱みを探ったり、相手のしぐさからいろんな手がかりを読み取ったりしなくちゃならない。
ジャック・ポッツィ(ポーカープレイヤー)
『偶然の音楽』(ポール・オースター著 柴田元幸 訳/新潮社)
『偶然の音楽』(ポール・オースター著 柴田元幸 訳/新潮社)
チェスや将棋は、戦略のゲームであるとともに心理的な闘いのゲームです。対局者の心理は微妙で、わずかの刺激にもモビールのように反応します
『将棋とチェスの話』(松田道弘/岩波ジュニア新書)
相手の予想を大きく狂わすのがプレイヤーの能力であり、戦術なのです
『図解ポーカー入門』(竹内 健/有紀書房)
『力』とは何かといえば、それは棋力だけではななく、人生観、勝負哲学、人間性など、ありとあらゆるものすべての総合力だ
『碁敵が泣いて口惜しがる本』(米長邦雄/祥伝社)
プロをアマチュアと区別する多くの資源のうちの一つは、ごく小さな手がかりから---
タイミング、姿勢、チップを動かす指の動き、首筋の脈搏からさえも---
相手の手を並外れた正確さで読みとる能力なのだ
『ザ・ギャンブラー』(A・アルヴァレズ 真野明裕訳/新潮社)
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