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書籍で味わえ! 勝負師たちの究極の死闘(3ページ目)

勝負師が勝ちつづけていけばいつかは最強の強敵に巡り合う。しかもそれが裏世界のだとしたら両者が並び立つことは絶対にありえない。アンダーグラウンドの凄まじい勝負を描いた作品をご紹介します。

執筆者:双六屋 カゲゾウ

『伝説の雀鬼 桜井章一伝』 20年間不敗の男

伝説の雀鬼 桜井章一伝
柳 史一郎著
幻冬舎
¥600(税込)
当時、銀行がもっとも高い信用貸しをしたのが雀荘。その現ナマはもちろん勝負金としてだ。夜な夜な熱い勝負と札束が乱れ飛ぶ新宿は裏プロが跳梁跋扈する魔都だった。そんな新宿で20年間無敗という伝説を残した男が桜井章一。人は彼を「雀鬼」と呼び震え上がった。

その雀鬼が繰り広げた死闘の中でももっとも熾烈を極めたのは… 
代打ちとして雀鬼が連れてこられたのは某大使館。日本の国家権力さえも及ばないこの場所で行われる対局というが普通のはずがない。ましてや参戦している他の雀師たちもその強さたるや人境を越えた怪物クラス。


こういう男たちが揃った場合、麻雀の持つ偶然性は九十パーセント失われ、ほとんどが人工的にゲームはすすめられる。もちろん、鈴銀が八枚爆弾を再び仕込んだのなぞ、三人ともしっかりと叩き込んでいて、サイの目がどう出るのかも承知のうえだ。

裏プロ同士の戦いでは、それらを口に出したり、山を壊したり、また手をつかんだりすることは恥とし、やられたそれ以上の技で返すのが筋である。
(本書234頁から)



最初からイカサマが許容されている闘いの凄まじさ。雀鬼の戦いの中でもこの治外法権麻雀は飛びぬけて熾烈であり、読むものを圧倒する破壊力をもっている。
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