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書籍で味わえ! 勝負師たちの究極の死闘(2ページ目)

勝負師が勝ちつづけていけばいつかは最強の強敵に巡り合う。しかもそれが裏世界のだとしたら両者が並び立つことは絶対にありえない。アンダーグラウンドの凄まじい勝負を描いた作品をご紹介します。

執筆者:双六屋 カゲゾウ

『伝説の真剣師 小池重明伝』 実在した昭和の無頼漢

伝説の真剣師 小池重明伝
宮崎 国男・著
木本書店
¥2,100(税込)
「新宿の殺し屋」とよばれた真剣師・小池重明。真剣師とは賭け将棋を生業にする輩のこと。圧倒的な技量を持ちながらもその素行の悪さからプロ棋士にはなれなかった男。

しかし真剣では化け物のような強さで並居る裏の強豪たちを倒し、表のプロさえも撃破。ついには関西最強の真剣師と謳われた鬼加賀こととの一騎打ちを迎える。


小池と加賀が盤上で見せた集中力と執念は、まさに死闘と形容するしかないものであった。お互いに一瞬たりとも盤上から目を離さず、一心不乱に読みふけっている。

何よりも、これだけのプレッシャーにさらされていながら、両者とも実に思い切りの良い踏み込みを見せたことは、心底驚かされた。いくら時間が残っていようと、ほとんどノータイムでズバズバと切り込んでいくのだ。
(本書 81ページから)


恐ろしげな渾名とは裏腹に一歩盤上から離れれば、酒に弱く、女に弱く、あまりにも人間味に溢れた小池重明。本書に登場する多くの人々が、小池を語るときその人柄に深い愛情を抱いていることが印象的。

ガイドは日本バックギャモン協会に所属していますが、先輩方にはこの伝説の真剣師と面識がある方が多くその声を聞いてもやはり魅力的な人物だったそうです。しかも新宿の殺し屋は協会主宰の大会にも参加し初級戦で見事優勝。バックギャモンはサイコロを使うゲームです。技術もさることながら、出目も非常に強く、伝説の勝負師はバックギャモン界においても鮮烈な印象を刻んでいったのです。
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