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ゲーム機コントローラは進化する(2ページ目)

ついに発売日・価格が発表されたニンテンドーDS。その斬新すぎるコンセプトは、これからのゲーム業界の方向性を象徴しています。歴代の任天堂ゲーム機のコントローラに着目して、ゲーム業界の行く先を徹底検証!

執筆者:川島 圭太

「十字ボタン」の確立
↓このページで取り上げているゲーム機↓

初めての十字ボタン、初めての“2画面”!


ゲーム&ウォッチ
1980年4月28日発売
※写真は
81年発売の『ドンキーコング』
2004年末に発売予定の新携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」は、“2つの液晶画面”など数々の斬新なインターフェースが大きな話題になっています。ですが、“2画面”のゲーム機自体は、実は今から20年以上も前に実現していたことをご存知でしょうか。

1981年に発売されたゲーム&ウォッチ版『ドンキーコング』は、2つの画面を搭載したマルチスクリーンタイプが採用され、上と下の画面を使い分けるゲーム性が実によく練られていて大ヒットとなりました。

そういえば、その外見はどことなくニンテンドーDSと似ています。2つの画面、折りたたみ式、そして十字ボタン・・・そうそう、十字ボタンが任天堂のゲーム機に初めて登場したのも、このゲーム&ウォッチ版『ドンキーコング』なんです!

ゲーム&ウォッチの大ヒットを足がかりに、任天堂はそれまで抱えていた負債を一気に返済したと言われています。さらに、ゲーム&ウォッチでソフトをさんざんコピーされた経験や、十字ボタンという偉大な発明が、後に登場するファミリーコンピュータを成功へと導いていくことになります。

・・・ある意味では、ファミリーコンピュータ以上に任天堂の大きな転換点となったのが、このゲーム&ウォッチというゲーム機だったのかもしれませんね。

ニンテンドーDSと見比べてみると、この2つのゲーム機が同時期に違うメーカーから発売されたとしたら大問題になりそうなくらい(笑)、雰囲気はよく似ています。

まさに“ファミリー”のコンピュータを目指していた


ファミリーコンピュータ
1983年7月15日発売
今日のゲーム業界の礎を築いた、家庭用ゲーム機の元祖ともいうべき「ファミリーコンピュータ」。“ファミコン”という愛称が、そのままテレビゲーム機すべての代名詞になるほど空前の大ブームとなりました。

ファミコンのコントローラは、横長で両手に持って操作するデザインが当時としては画期的だったようです。

ファミコン発売当時の他のゲーム機のコントローラといえば、エポック社の「カセットビジョン」(81年)は本体とコントローラの一体型、トミーの「ぴゅう太」(82年)はキーボードとマウス型のコントローラ、バンダイの「インテレビジョン」(82年)は電卓のようにボタンが並んだ縦長のコントローラでした。今でこそ、両手で操作する横長のコントローラが主流になっていますが、そんなコントローラの元祖もやっぱりファミコンだったようですね。

また、“ファミリー”コンピュータというだけあって、本体に最初からコントローラがふたつ付いていたことも重要なポイントです。ファミコン発売当時はパソコンやアーケードゲームが流行っていたゆえ、キーボードやアーケードの筐体を模したようなコントローラが家庭用ゲーム機でも主流でしたが、これに対してファミコンは家族や友達といっしょになって楽しめるように設計されたコントローラと言えるでしょう。

さらにその一方で、とんでもなく斬新なコントローラたちがたくさん登場していたのも、やはりファミコン時代の大きな特徴のひとつです。

光センサーでテレビ画面のターゲットを判定する光線銃、画面の動きを感知して動くファミリーコンピュータロボット、プレイヤーが足踏みやジャンプをしてキャラクターを操作するマット型のコントローラーなどなど・・・ものすごく時代を先取りしすぎていた感もありますが、テレビゲームという娯楽の概念自体がまだ漠然としていたファミコン時代ならではの産物と言えるでしょう。

十字ボタンとA・Bボタンだけで操作できる、シンプルかつお手軽なデザインが秀逸でした。2コンのマイクでウ~ウ~叫んで友達のプレイをジャマしていたあの頃が懐かしい・・・。

コントローラのボタンが増える、2つの方向性


スーパーファミコン
1990年11月21日発売
ファミコン発売から7年後に登場した、グラフィックやサウンドの表現能力が大幅に向上した「スーパーファミコン」。ゲームの中で出来ることが増えた分、コントローラのボタンの数も倍増しています。

ボタンの数といえば、ビデオデッキやテレビなどの家電のリモコンにもたくさんのボタンがあります。家電のリモコンとゲーム機のコントローラは、どちらも同じようにボタン数の増加によって“進化”してきた一面があるようにも思えますが、インターフェースとしての両者の方向性は、ちょっと異なっているようです。

たとえば、テレビのリモコンの「1」ボタンは、チャンネル1の番組を見るとき以外にほとんど使い道はありません。それぞれのボタンに特定の機能を細分化したことによるボタンの増加が起こっているのです。

一方、ゲーム機のコントローラでは、同じボタンでも状況に応じてさまざまな機能が与えられます。

たとえば『ドラクエ』なら、ある時は町ゆく人と話し、ある時は敵にワザを繰り出し、またある時は竜王の誘いに「はい」と答えて闇の世界に突き落とされる。ひとつのボタンにたくさんの機能が集約されていると、ゲームごとに操作方法を覚える必要がありますが、慣れてしまえば非常に使い勝手の良いインターフェースとなるのです。

そういえば、Aボタンが「オーケー」で、Bボタンが「キャンセル」といった暗黙のルールを、最初に決めたのは一体どのゲームなんでしょう。これってトリビアになりませんか?(笑)

さて、スーパーファミコンでボタンの数が増えたとはいえ、それ以降のゲーム機にはボタンの大幅な増加は見られません。プレイヤーとの一体感がゲームには非常に大切ですから、テレビのリモコンのようにいちいち手元のボタンを見ながらプレイしたくはありませんよね!

スーパーファミコン以降のゲーム機では、単純なボタンの増加ではない、まったく新しいインターフェースの登場によって“進化”していくことになるのです。

◆LEVEL.2/
「3Dスティック」の革命
ニンテンドウ64~ゲームキューブ


<目次>
ゲーム機コントローラは進化する
ゲーム機の歴史は、まさにコントローラの進化の歴史だ!
「十字ボタン」の確立
ゲーム&ウォッチ ~ ファミリーコンピュータ ~ スーパーファミコン
「3Dスティック」の革命
ニンテンドウ64 ~ ニンテンドーゲームキューブ
次なる革命へ──コードネーム“Revolusion”
ニンテンドーDS ~ “レボリューション”
【番外編】
斬新すぎるゲーム機たち ~ 神遊機、バーチャルボーイ、スーパースコープ

 

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