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やり込み要素の危険性(3ページ目)

ゲームの本編が終わってもさらに遊べるやり込み要素、今はない方が珍しいというぐらい、ほとんどのゲームについています。しかしこれが、メーカーの首をしめているかもしれません。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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「取りあえずやり込み要素」は危険

開発者が一生懸命いれたやり込み要素が自分たちの首をしめているとしたら、こんなに悲しいことはありません。(イラスト 橋本モチチ)ここまでやり込み要素の危険性について、3つ挙げてみました。中古対策でやり込み要素を入れて長くプレイしてもらうという方法論は、もしかしたら自分たちの首をしめているかもしれません。ユーザーの可処分時間を奪い、お店の仕入れる力を弱め、さらにはゲームの購入機会を減らしているとしたら、それはよくよくリスクを考える必要がありそうです。

もちろん、長く遊べるゲーム、やり込み要素があるゲームは全部駄目だ、というわけではありません。冒頭でもお話した通り、ユーザーサービスとしての側面もあります。

長く楽しめることで、よりたくさんのユーザーがゲームを遊ぶようになれば、回転の遅さを補えるかもしれません。やり込み要素がたくさん入っていることを期待するユーザーがファンとしてついているタイトルであれば、それはやっぱりやり込み要素をばっちり入れる必要があるでしょう。

でも、全てのソフトが右に習えでそんなことをする必要があるかというと、きっとそうではありません。ましてや、中古対策を意識するあまり無理やりやり込み要素をつけて、それがユーザーのゲーム体験を損なうような結果を招くことも少なくないように思います。

取りあえず必要だろう、ぐらいの気持ちで安易にやり込み要素を入れているゲームがたくさんあるとしたら、それはもしかすると、メーカー自身にとってすごく危険な行為かもしれません。

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