PSP goにしかできないことが分からない
PSP goの価格はPSP-3000よりも1万円高い26,800円。かなり強い購入動機がなければ、PSP-3000の方が選ばれてしまいます。 |
PSP goが欲しくない理由というのは、わりとはっきりしていて、このUMDが使えないということがかなり大きいと思われます。お店でゲームを買いたい、今まで持っているUMDを引き続き使いたい、あるいはオンラインに接続できる環境がない、などが買わない理由になります。これはDSiLLの大きいと持ち運びに不便、に相当する部分で、商品の特徴を出すためにあえて手放しているところです。
ではこれがひるがえってPSP goを買う理由になるのか。ここに大きな問題があります。そもそも、オンラインでゲームをダウンロードするのはPSP goの専売特許ではありません。PSP-3000でもメモリースティックデュオにダウンロードすれば同じことができてしまいます。結果、PSP goが欲しい理由はかなりぼやけます。UMDも使えて、ダウンロード購入もできるPSP-3000に対して、はっきりとした優位性を打ち出すことができません。
少し面白いデータがありまして、PSP go発売週のPSP-3000の販売数。これがですね、約4万台を売り上げているんです。PSP goが約3万台なので、それを上回ってしまっているんです。ですから、PSPというハードそのものは堅調に売れていて、その上で、PSP goとPSP-3000のどっちが欲しいかとユーザーに問いかけた場合に、最も話題性のある発売週ですらPSP-3000の方が選ばれているんです。
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欲しい人がいれば売れるし、欲しい人がいなければ売れない
画面が大きいということは字も見やすくなりますから、高齢層なんかにはいいですよね。そういうことがパッと思い浮かぶ商品であるかどうか、という部分が売れるか売れないかに直接結びつきます。 |
ある商品について、その商品が欲しい人がいれば売れます。欲しい人がいなければ売れません。当然ですね。じゃあ、欲しい人をどうやって探すのか、生み出すのか、そしてその為に商品をどういう形で世の中に送り出すのか、これを考えるのがマーケティングです。
DSiLLで言えば、DSの画面が大きくなりますよ、という1番の特徴を前面に出せば、大きいDSで遊びたいと思う人が手を挙げます。とてもシンプルに欲しい人を探せます。これがPSP goだと、オンラインでゲームがダウンロードして買えますよ、と言ってもPSP-3000と競合してしまいますので、PSP goが欲しいという人を探すことができません。これがDSiLLとPSP goの大きな差です。
あまりに単純に聞こえるかもしれませんが、この一見簡単な話は、ゲームのようなエンターテイメントの業界ではとても大切なことなんです。