ゲーム業界ニュース/ゲームニュース講座

テクモ営業さんに聞く新規作販売の苦労話(3ページ目)

ゲームメーカーには、大きく3つの機能があります。開発、広告宣伝、営業。開発と広告宣伝は分かりやすいんですが、営業さんの仕事って知られていませんよね? 新規作を売る営業さんにお話を聞かせてもらいました。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド


全てのタイトルが遊んでもらえるわけではない 商談会

口頭や紙の資料では伝えるのが難しいだけに、ゲームをプレイしてもらえる機会は貴重です。ガイド:その次は、いよいよ商談会ですね。

根岸:プラットフォームによって、会の名称やスケジュールは若干異なりますが、大体2ヶ月後に発売するタイトルを、ゲーム店のバイヤーさん、つまり発注権限を持っている方々や、発注権限はないけど店頭の売り方を考える店舗の担当の方々に対して、アピールする商談会という場が設けられます。プレイステーション関連に関しては、ソニー・コンピュータエンタテインメントさんが主催して、私達はそこに出展するという形ですね。

ガイド:これは、実際にはどのようにゲームが紹介されるんでしょうか。

根岸:1つはプレゼンテーションの形式です。皆さんに着席していただいて、手元には資料をお配りし、商品の映像などを交えて5分から10分程度ご紹介します。ただ、時間の都合上全てのゲームができるわけではなく、大作であるかどうかなどで、プレゼンテーションできるものとできないものがでてきます。ちなみにアンデッドナイツは残念ながらプレゼンテーションできていません。

ガイド:では、どうやってアピールすることになるんですか?

根岸:プレゼンテーションが終わった後、1、2時間ぐらい時間をとって、試遊する時間があるんです。会場に試遊台が配置されて、流通さんがあのタイトル見てみたいなと思ったら、映像を見たり実際にプレイしたりできるという。逆に、積極的に見ようと思われなければ見られずに終わってしまうことも有り得ます。そこで、先ほどお話した、流通向けプロモーションが必要になっているわけです。

ガイド:なるほど

根岸:限られた時間で、月によっては数十とはいかないまでもそれなりの数の新作タイトルが集まります。その中で当然バイヤーさんも売れてるシリーズの最新作や、強いブランドを持つメーカーの期待作を当然優先して時間をさくので、遊んでもらうのは大変です。

ガイド:アンデッドナイツは、そんな中、プレイしてもらえたんでしょうか。

根岸:本来、新規タイトルで1度ファミ通に出たぐらいではほとんど反応がなかったりするんですが、にもかかわらず商談会ではかなり遊んでもらいました。ただし大分偏りがありましたが。ゲームの好きなバイヤーさんというか、コアなユーザーを客層に持つお店のバイヤーさんに人気でした。やっぱりコアなユーザーさんがお客さんにいるお店は、ゲームの知識も豊富な場合が多いですから。ファミ通を見て、面白そうだったから確認したくて、みたいな形で人の集まりは非常に良かったですね。

商談会で流通さんに向けてゲームを紹介したわけですが、その後はどのような営業活動が行われるのでしょうか。
ゾンビ橋の図
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