ダイナミックなゲーム
例えば、風来のシレンシリーズは、お話やグラフィックは地味ですが、ゲームのプロセスはダイナミックに展開していきます。なんとなくイメージが伝わりますでしょうか? |
ここでいうダイナミックな展開というのは、何もゲームの物語が盛り上がるとか、最後に大どんでんがえしがあるとか、そういう意味ではありません。ゲームプレイそのものが、ダイナミックに展開するのです。やっぱり上手に説明できません。そこで、ダイナミックという言葉の意味を調べてみました。力強いとか、躍動感とか、そういった言葉が並ぶ中、動的という意味が見つかります。
この言葉をちょっと借りてみましょう。ゲームの中には、動的なゲームと静的なゲームがある。口に出してみると、ガイドが感じていたゲームの分類、評価にピッタリとはまるような気がします。ちょっと言葉遊びみたいなところもありますが、今回はこの動的、静的という視点からゲームについて考えてみたいと思います。
トランプとゲームブック
宝箱を開けるべきか、開けないべきか、その選択肢によって次に読むページが変わります。こんなゲームブック、昔はよくありましたよね |
ここでは正確な定義については追求せず、概念的なイメージを掴んでゲームに置き換えて考えてみたいと思います。ゲームをプレイしていくと、最初から用意されている、プレイによって変化しないプロセスをたどるものは静的ゲーム。そして逆に、最初からプロセスが用意されているのではなく、ゲームプレイによって生成されていくゲームを動的ゲームとしてお話を進めていきます。
例えば、ゲームブックは静的ゲームだと言えるでしょう。一応ゲームブックを知らない人の為に説明しておくと、本に描かれる物語を読み進めると、途中で選択肢があり、選んだ答えによって次に読むページが決定されるアドベンチャーゲーム風味の本のことですね。選択肢によって読者は違う文章を読むことになりますが、それはあくまで元々本に書いてあるものです。どの選択肢を選んでもあらかじめ用意されている以上の何か新しい物語が生まれるということはありえません。
逆に、動的ゲームの例としては、トランプが適当かもしれません。ポーカーをする時、どんなカードをひいて、そこからどんな駆け引きが生まれ、そしてどんな結果が待っているのか。それは常にその場でシャッフルされた52枚のカードによって生まれていきます。だからこそ、想像もつかない逆転劇も生まれ、まさにダイナミックに展開していきます。
なんとなく動的、静的という感覚を感じ取っていただけたでしょうか? 次は、いよいよコンピューターゲームについて、静的ゲームとは、そして動的ゲームとはどんなゲームかお話していきたいと思います。